スピニングで挑んだ巨大マグロ

出発直前の精密検査で一度は諦めた挑戦だけど、日に日にメラメラとしてきてしまった。
栓抜きがダビングしてくれた24(トゥエンティーフォー)を見ているうちに挑戦するぞという気持ちにどんどん傾いていった。
よしジャック・バウアーになってやる!(笑)
ただしいつものように順番は最後なので全員がキャッチしなければ俺にチャンスは来ない。
しかし悪運なのか幸運なのか、今回は天候に恵まれて釣行3日目で俺以外は全員キャッチとなった。
そして俺の順番となった。
心臓緊急用にニトロをテーブルの上に置いて仲間に「ニトロと叫んだらこれを持ってきてくれ」と伝えた。
リールシートにテープをぐるぐる巻きにして補強した。ハーネス用のストラップは限界が来たとき用に最初から装着した。限界が来たらハーネスを付ける。絶対に交代はしないと誓った。
ヒット!
一気に200メートル以上のラインが出た。

その後しばらく一進一退の攻防が続いた。一時は取れると思った。

しかし何度も走られて残りのラインがほとんどなくなった。

そして巨大マグロは真下にずるずるとラインを引き出していった。
ラインが少なくなるとドラグは反比例して増していく。自転車のギアと同じ理由である。ラインを含めたスプール径が半分になればドラグは2倍になる。
ロッドの曲がりから25キロ以上のドラグがかかっているだろう。
マグロは300メートルまでは一気に潜るが、それ以上になると動きが鈍くなる。水圧の問題か水温の問題とだろう。
ジリジリと3センチずつラインを引きずり出して潜っていく。

10分経過したあたりから腕がパンパンになり、握力もなくってきた。
相手は潜り続けている。ロッドの角度は限界、ラインはほぼ真下に向いている。
どうにもならなかった。

ラインキャパに余裕があれば船を前進することができるのだが・・・

後部に突き出ているランディングデッキの手すりに触れた瞬間。
「バチッ」
ブレイクしてしまった。

動画Youtube
これが問題の手すり

直後25キロ用のバネ秤でドラグを計ると振り切ってしまって計測不能だった。

推定ドラグ30キロ!
挑戦した結果として水深のあるところでは難しいと思った。このポイントは水深800メートル。そのため300~400メートル潜ってしまうマグロがほとんどだった。
ただし400メートル以上は潜らなかった。ラインキャパがあと100メートルあったら取れると思った。ただしドラグ25キロで1時間以上のファイトになると思う。
ロッドはカーペンターOH55XH。2.5キロのジグをしゃくっても大丈夫な竿だ。
リールはステラSW20000PG(スプールは20000MAX)。ラインはサンラインPEジガー8HG8号、その先にナイロン130ポンドを20メートルつなぎ、先端に400ポンドのクランキングリーダー6メートル+フロロ150号3メートルつないだ。
ナイロンの130ポンドはPEの高切れを防ぐためのショックアブソーバーである。
また挑戦します。
勝つまで!

PS.同行者はハーネスを使用したスタンドアップファイトで310、281、240、230キロを、チェアーを使用したファイトで250をキャッチした。最長ファイティングタイムは6時間10分だった。ドラグ25キロで6時間以上も戦うマグロはやはり最強の相手である。

