2010/07/30

種子島GT&天然ウナギ

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俺は釣りは当然大好きだが、観光と食もおおいに興味がある。俺の周りも「美味い物食べられるならどこでも行く」なんて奴もいる。夏と言えばウナギである。

5月にウナギ獲りの達人雨田さんにいただいたウナギはメチャ美味かった。

6月にパナマで中指を怪我して2ヶ月釣り禁止となった。そうなれば種子島へ行く楽しみはウナギと、まだ見ぬ鉄砲館である。種子島宇宙センターは常宿「島崎」のすぐ側にあるので何度も見学済み。でも最近の我が国の宇宙技術は凄いね。5月21日に金星へ向けて「あかつき」を発射。そして6月13日には7年の宇宙の旅を終えて小惑星イトカワから「はやぶさ」が帰還した。NASAでさえやってないことを日本はやってのけたのだ。拍手!

空港で合流

ママにホモダチ?と言われた。
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釣り前日の夕方種子島到着。

船内はサウナ状態なので、エアーマット(ベット)を島のホームセンターで購入したが空気漏れがひどく使い物にならない。

それで民宿島崎の廃棄物直前のサマーベッドを借りた。
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う~ん、快適♪

なんとママにGTがヒット~!
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一気に根に走られてプッチンでした。

そのあともママに連続バイト!

4-1-0でした(^^;

男たちは完全に脇役でしたが

DJにGTらしきがヒットー!
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ヘロヘロになりながらも頑張った。
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あれ~黄色いぞ~?

キハダ27キロでした。
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2日目は悪天候で釣りは中止。待望の観光となった。

まずは豊満なおっ○い・・・じゃなくて宝満の池です。
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続いて門倉岬
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1543年、ここに航海の途中大時化に遭い航行不能になった中国の船が漂着した。
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その中にポルトガル人乗組員がいた。彼らは鉄砲を持っていた。鉄砲の実演を行い種子島島主である種子島恵時・時尭親子がそのうち2挺を購入して、刀鍛冶の八板金兵衛に命じて複製を研究させて完成したとなっている。

それから30年もしないうちに鉄砲は全土へ伝わり、戦国時代の戦い方を大きく変えていった。鉄砲を最大限に利用して全国統一の基礎を築いたのが織田信長だった。


そして鉄砲館(正式名は種子島開発総合センター)へ。最南部の門倉岬から北部の西之表市まで島を縦断する。

約1時間で到着
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館内は撮影禁止。

この1枚だけ撮りました(^^;
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また1時間走って南種子町にある民宿島崎へ

今夜も倉庫でBBQです。
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そして!

うなぎ獲り名人の雨田さん登場!
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乾杯♪
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お腹いっぱいいただきました。
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ウナギの生態を少し紹介

「ウナギは海で生まれて川や沼で育ち繁殖のため海に戻るが、その生活史は謎に包まれていた。人工的に卵を作って仔魚を育てる完全養殖は困難で、養殖ウナギはその全量を天然稚魚に頼っている。」
「近年、産卵はマリアナ海溝西方で夏の新月近くに行われ、仔魚は約3000km、深海を旅してやってくることがわかり、生活史の解明が進んだ。養殖研究も大きく進展、研究室レベルでは今春、完全養殖が実現した。」
(日経サイエンス8月号より抜粋)

う~ん、なんと往復6000キロも旅をしているのだ。そして川から産卵のために自分が生まれた海に戻るのだが、その3000キロの長旅の間、一度も餌を食べないそうだ。長旅に入る前に栄養を充分に蓄えるのだ。それがウナギが美味しい理由だそうだ。

決して遊泳力にすぐれているわけではい。あのような体型で3000キロを泳ぐのは容易なことではない。

以上ウナギ学でした。



ウナギを食べた翌日はパワーが違う。

船長は口永良部島まで走った。

見事な岩です。ウナギパワー全開の俺みたいです(爆)
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その岩の周囲を攻める。
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またまたママにヒットー!
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今度はウナギパワーで高切れでした(^^;

続いてクボタプロ。飛距離だけは凄いけど、魚が反応しません(笑)。

ようやくキメジをキャッチ!
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これで波に乗ったクボタプロ!

ついにGTがひっとー!!!
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途中ちょっとガス欠気味でしたけど・・・

踏ん張りました。
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ウナギパワーで38キロをキャッチ!


ロッド:カーペンターICBM90
リール:ソルティガ6000GT
ライン:PE8号
ルアー:GT-ガンマ140


最後の土壇場で1匹釣れてほっと一息の船長でした。
2010/07/30

第12回伊勢志摩キャスティングトーナメント

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今年で12回目(うち2回はプチトーナメント)となる伊勢志摩キャスティングトーナメント。グルーパーは1回目からずっと参加しているがお立ち台の真ん中に立ったことがない。参加人数はいつもいっぱいいるのだから、かなりヘタッピーなのである。俺は12回中11回参加している。1回だけ海外遠征からトラブルで帰って来れずドタキャンしたが、申し込みは12回すべてやっている。1回くらいまぐれでいいからお立ち台に立ちたい・・・

横浜青葉インターから入ると大渋滞だった。
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そのころ豪はこんなのを釣ってました。
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デカイ!

9時間もかけてようやく安乗の小山荘に到着

すでに盛り上がってま~す♪
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6時から宴会開始
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今日釣れたシイラとタチウオ
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女将さんとタコちゃんがお揃いのタコちゃんTシャツ
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魚はカサゴとアマダイです。

豪の挨拶で宴会開始
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チキン黒岩は明石のサバを
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激美味!

76キロのクロマグロをキャッチしたマサ子が登場
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指4針縫う大怪我で釣りは自粛です。

1時間もすると公開できない写真ばかりになった(^^;

これはまともな写真です(爆)
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何時に寝たか記憶はありません。


3時起床

ここで一人脱落。何度起こしても動きません。グルーパーAチームは5人になった。うち俺は怪我で2ヶ月釣り禁止の身です。

4時受付開始。
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参加は108名です。

4時半ごろ開会式です。何も聞いてませんでしたが・・・

5時スタートフィッシング!
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グルーパーAチームです。おそらく優勝に一番遠いチームです(^^;
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ソップが粘ってペンペンゲット!
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全員戦線離脱!
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暑くて寝るのも死にそうでした(爆)

そのころグルーパーC+こい泥棒+JOY混成チームでは!

なんと変態小西がカジキとファイト中!!!
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推定120~130キロのクロカジキです。
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9分で船べりに寄せたが、目の前でフックアウト・・・残念
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カジキはすでにヘロヘロだったようです。

詳細はここを
http://shimancyuu.com/mt/2010/07/in100kg.html

その直後に今度はぽんたがデカイメスシイラをキャッチ!
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検量に持ち込んでます。
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結果発表!
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ぽんたはJOY所属です。またしてもグルーパーは完敗でし。
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おそるべしJOYクラブ。別名ねこそぎクラブとです。賞品があると不思議に強いです。普段はヘタレですが。
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表彰式です。

レディース賞はドボイワシの谷口純子さん!
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3位はオダムドーLP500Sの伊藤陽介さん!
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準優勝はオールドソルトAの宮崎大さん!
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そして優勝はぽんたでした!
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お疲れ様~
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結果の詳細は豪のブログを!
http://shimancyuu.com/mt/2010/07/725.html
2010/07/21

東伊豆沖のマグロ

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これはあくまでも茂木個人の今日現在の見解です。いろんな意見があると思います。また俺自身、まだまだわかっていません。今後も多くの人の意見を聞いて勉強をしていきます。

6月中旬ごろから東伊豆沖でマグロが釣れ続いているらしい。東伊豆沖?どこなんだろうと調べたら伊豆大島近海とわかった。

ちなみに俺は大島近海へは一度も行ったことがない。


今年の4月2日に大島町役場産業課より大島周辺漁場での協定が発令された。

大島周辺漁場で船釣りをされる皆様へ

  大島周辺海域における漁業と遊漁のトラブル防止と、相互の円滑な操業秩序の確立、及び資源の適切な保存・管理を推進していくことを目的に、関係者により、船釣りに関する海面利用協定が締結されています。
  大島周辺漁場で船釣りをされる方は、本協定の趣旨をご理解いただき、下記チラシの内容を遵守されますようご協力を願います。
http://www.town.oshima.tokyo.jp/information/20100402002.pdf

これによると第3条の3項にこのようなことが書かれている。

3. 遊漁者遵守事項
  3 千波崎を中心に半径2,000m以内の海域において、4月1日から9月30日まで操業禁止


この協定が発令されるまでは大島近海に釣り船が近づくことはほとんどなかったらしい。

それが大島側の大幅な譲歩(だと思います)で釣り船が2キロ圏まで近づくことができるようになった。そこはもともとマグロなどが多く回遊してくる海域だった。過去には釣り船が島に近づいたことが原因で地元の漁師さんとトラブルが頻繁に起きていたそうだ。

島によっては近づいても大丈夫なところもある。GTなどはトカラ、薩南、慶良間、八重山など他の島から釣りに来ても地元の漁師さんとトラブルが起きることはまずない。ところが市場価格がはるかに高くなるクロマグロとなると日本全国どこでもトラブルが絶えない。また巻き網など漁業関係者の違反操業、密漁も多い。お金になるがために起きてしまうのだ。

日本は古来から漁業が盛んな国である。そのため海面利用に関して伝統的に漁師さんが強い。釣り船、釣り人は専業漁師さんの迷惑にならないように釣りをすることが当たり前のようになっている。俺も10年以上前に何度か秋田の能代から出て久六島へマグロを釣りに行ったことがある。ところがそこは専業漁師さんの完全な縄張りみたいなところだった。我々のすぐ側でナブラが沸いたので近づいてキャストしようとすると、はるか遠くにいた漁船が近づいてきて我々の釣りの妨害をした。漁師「あんたらは遊びだろ。こっちは生活が掛かっているんだ。邪魔はしねえでくれ」と怒鳴られた。我々の船長さんはただひたすら謝っているだけだった。我々は神奈川から8時間もかけて車で来ている。日ごろのストレス発散にマグロ釣りに来ているのだが、このように来るたびにストレスをさらに抱えて帰ることが多かった。やがてパッタリと行かなくなった。

海外(アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド等)へ行くと日本とは大きく違うことに気が付く。まずマグロを狙った漁船がほとんどいない。いたとしてもいっさい妨害はされない。そしてマグロはたくさん釣れる。ただしレギュレーションは厳しい。キープできるのは船中1匹、もしくは叉長183センチ以上で一人一匹とか、いろいろと決められていて厳しく管理されている。違反すると多額の罰金、ライセンスの没収、さらに船を没収する国もある。それは遊魚にもプレジャーにも漁船にも適用される。海面をプロ、アマ問わず平等に利用するようになっている。俺自身、何度もニュージーランドやアメリカ、オーストラリアで釣りをしているが漁師に妨害を受けたことは一度も無い。また釣り(漁業も含む)禁止区域はあっても、専業の漁師が優先されるような区域はない。国民のレジャー、スポーツとして釣りの地位が日本に比べてはるかに高い。そこには遊ぶということが国民にとって大切な時間であるという認識がある。日本人はまだまだ遊ぶということに対して「よくない」という意識がある。久六島の話に戻ればアメリカやニュージーランドでは釣り人側が漁師に対して堂々と「俺たちの遊び(釣り)の邪魔をしねえでくれ」と権利を主張できるのだ。

海の資源に関しても、ほとんどの先進国は資源管理が徹底している。まず科学調査が入り、魚種ごとの資源を調べる。そしてキープしてよいサイズ、キープしてよい匹数が決められる。絶滅の危機がある魚種は釣り、漁、すべて禁止となる。

ちなみにアメリカのクロマグロのタック(2008年)は以下となる。
※タックとは漁獲制限のこと
漁師(一本釣り)740トン
アマチュア(釣り人)309トン
巻き網292トン
つきん棒61トン
延縄56トン
合計1668トン
予備207トン

これは年々厳しくなっているので2010年はさらに少ないと思われる。また漁師さんが捕獲したマグロのほとんどは日本へ送られる。

アマチュアに309トンも枠があるのが日本と違うところだ。アメリカ、豪州、ニュージーランドなどはレジャーとしての釣りの地位が高い。単純に計算して30キロ平均で1万匹である。小さいマグロはキープできないので、アベレージはもっと大きいだろう。

話は戻るが、大島町が大幅に譲歩したことは海面を独占することで島のイメージが悪くなることを避けたためかもしれない。時代は確実に変化している。いつまでも海は漁師さんのものという考えは続かないだろう。

ところがせっかく大島側が譲歩したのに、それを守れない釣り船、プレジャーが後を絶たないと聞く。半径2キロ圏内の内側まで入ってしまうらしい。マグロは魔物である。大きなマグロが跳ねるのを目の前にすれば釣り人、船長も大興奮してしまう。我先にとポイントへ入って、海面も船上も無法地帯のようになってしまう。でも冷静に対処しないと、せっかくの釣り場が再び禁止区域になってしまうかもしれない。違反してまでマグロを釣るようなことは避けなければならない。

また近海で釣れ始まると、必ず経験の浅いアングラーが多くなる。マグロのパワーがどんなものか知らずに挑んでしまうのだ。当然タックルは貧弱。そして大物を釣るための心構えもできてない。テクニックも無ければ基礎体力も無い。交代は当たり前、そしてせっかくヒットさせても獲れないことが多い。

50キロオーバーのマグロはなめてかかって取れるサイズではない。完璧なタックル、そして経験豊富な人のアドバイスは絶対に必要である。釣具屋も選んだほうが良いだろう。そのような大物に対してちゃんとした理論を持っている釣具屋、そして経験豊富な釣り人から習うべきである。7月上旬に7●キロのキハダが釣れてニュースとなったが、後日同船者から3人で交代と聞いて愕然とした。そのようなファイトで釣った魚を賞賛するような書き込みはやめていただきたい。

交代は俺は絶対に認めない。海の資源は確実に減っている。この100年で90パーセント減少したとも言われている。そして大型魚はさらに激減した。一生に一度のサイズに気軽な気持ちで挑んでもらいたくない。大型魚とファイトして打ち勝つ努力をしてもらいたい。相手は命をかけて戦っているのだ。それを簡単に他人に竿を譲るような人はマグロに挑んでもらいたくない。

また最大で400キロ以上になるクロマグロをメジという幼魚のうちに数釣りするのもやめていただきたい。海外(先進国)ならレギュレーションがあるので5キロ未満のマグロをキープすることはありえないのだが、日本では1キロにも満たないマグロさえも毎年大量にキープされている。これでは産卵期に産卵海域に入る巻き網船団と何も変わらないのではないか。海洋資源の未来を真剣に考えなければいけない時代である。幼魚もしくは産卵前のマグロを大量殺戮していてはいずれマグロは絶滅するだろう。ブリにしてもヒラマサにしても同じことがいえる。ワカシ、イナダ(関西ではヤズ、ハマチ)を大量にキープするのは問題である。

俺自身はマグロは1日1匹と決めている。だがその1匹もなかなか釣れない(苦笑)

今回は苦言が多い。でも言わずにはいられませんでした。



以下の写真は最後まで一人で頑張って上げたマグロです。

滝上さん42キロと吉村さん32キロのクロマグロ
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佐野(ヒロム)さんとクロマグロ47キロ
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ロッド:CBONE 82TUNAプロト
リール:ステラ18000HG
ライン:YGKよつあみ キャストマン6号
リーダー:YGKよつあみ キャストマンアブソーバー 130LB
ルアー:CBONEプロト

林さんとクロマグロ40キロ
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ロッド:CBONE VF79プロト
リール:ステラ 10000XG
ライン:YGKよつあみ キャストマン6号
リーダー:YGKよつあみ キャストマンアブソーバー 100LB+170LB
ルアー:CBONEプロト

佐野(昌哉)さんとキハダ50キロ
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ロッド:カーペンターDJ83ML
リール:ステラSW18000HG
ライン:PE6号
リーダー:130ポンド
ルアー:カーペンター・ライブリーサーディン
ファイティングタイム:20分

滝上さんとクロマグロ60キロ
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ロッド:MCworks' SM825CR
リール:08ステラSW18000HG
ライン:ウルトラキャストマンX8・6号
リーダー:キャストマンアブソーバー130Lb+マンユウ60号
ルアー:SOULS HIBIKI
ファイティングタイム:35分


唐田さんとクロマグロ76.1キロ
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ロッド:MCworks' SM887CR
リール:01ステラSW10000HG(スプールは20000)
ライン:PE6号
リーダー:130Lb
ルアー:カーペンターBC-γ90
ファイティングタイム:1時間
2010/07/03

ケープコッド沖キャスティングマグロ

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7月2日に帰国して次の日に病院に行った。中指の力がほとんどないのでコーラの栓は抜けないし、税関申告書に文字を書くのにペンも満足に握れなかった。結果は骨折ではなくて靭帯損傷、全治2ヶ月だった。先生に人差し指と中指をテープで固定された。これで最低6週間は耐えなさいと言われた。無理をするとさらに長引くそうだ。パナマで怪我をした直後に病院へ行けばよかったと言われた。

原因はパナマでトローリングタックルで釣った100キロのキハダマグロである。ギンバル付きでないロッドベルトでやったので必要以上に力を使った。おそらくそのときに指をひねったのだろう。内出血がひどく、しばらくは激痛だった。3日間釣りをせず安静にしていると痛みが引いてきたのでマサチューセッツでマグロに挑んだ。それで更に悪化した。

2ヶ月釣りはドクターストップ。野球で言えば故障者リスト入りである(笑)



そんな指で挑んだマサチューセッツのキャスティングクロマグロです。
咳は相変わらず続いているが夜間に食べ物を吐くことはなくなった。


パナマからアメリカへ戻りサミーの自宅に泊まった。昨年もすっかりお世話になったが、今年もたっぷりとお世話になった。

27日は中休みとした。俺もび~るだ~さんも年寄りなので休養が必要なのである。

28日は悪天候で中止となった。指が痛い俺にはいい休養になった。

28日の午後5時過ぎにニューヨークからマサチューセッツに移動してボストンの南東側45キロにあるグリーンハーバー近くの近くのホテルに泊まった。

29日は朝の3時半ホテルを出発。4時を少し過ぎた頃に出港した。あたりはまだ薄暗い。ニューヨークからグレン・クロスが来て合流した。彼はアメリカを代表するジギング&ポッピングアングラーである。

ポイントまでは北東方向へ1時間半くらい走った。25~27ノットくらいで走ったから距離は60キロくらい。ケープコッドの湾側である。ボストン市内の高層ビルが左後方に見えていた。

最初はナブラ探しとなった。

しばらくすると大きな鳥山を発見。ボートは猛スピードで鳥山に近づいた。回りには漁船も釣り船も見えない。完全に我々で貸切である。

キャストを開始するとすぐにマグロが俺の投げたガンマに襲いかかった。1回目空振り、2回目空振り、3回目でがっちりとフッキングした。パナマに続いて1投ヒットである。サミーとグレンはミヨシで投げていたがノーバイトだった。
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ロッドはカーペンターBLC83/40(プロト)、ラインはPE6号でドラグの初期設定は7キロくらいだった。中指に力が入らないので普段より弱目のドラグでファイトした。途中ドラグを2回締めて、最後は10キロくらいだった。後方でファイトしていたので2基の船外機がやたらと邪魔になった。船のフォローはいっさいない。グレンとサミーはその間にもずっとキャスティングを続けていた。

船下で回るのがマグロの特性。そのたびに船外機を避けて右に左にと移動した。やりづらかったが16分でキャッチ。リリースギャフを口に刺して写真を数枚撮ってリリースした。
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重量:船長推定140ポンド(64キロ)
ロッド:カーペンターBLC83/40
リール:ステラ18000HG
ライン:サンラインPEジガー8HG・8号
リーダー:サンライン・システムリーダー(ナイロン)150ポンド、先端フロロ60号70センチ
ルアー:BC-γ90
ファイティングタイム:16分
船べりリリース



この海域でのレギュレーションは叉長73インチ(183センチ)以下はリリースである。このサイズは重さに換算すると120キロ前後である。日本では100年後もありえないようなレギュレーションだ。


1匹釣ったので俺はカメラマンに専念した。び~るだ~さんは30キロ以下が跳ねたら投げるらしいが、大型ばかりなので投げないで観戦ばかりだ(笑)

その後もあちこちでナブラが立つが、投げても投げてもヒットしなかった。
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午後になりマグロの活性が更に上がった。

サミーにヒット!
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凄い勢いでラインが出ていった。

走り方からしてかなり大型のようだ。すぐにボートはフォローに入った。

10分経過

20分経過

何度も残り20メートルくらいまで寄るのだが、そのたびに30メートルから100メートルくらい走られた。

水深は200フィート(60メートル)
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船長「ここは浅いから簡単だよ」と言っていた。ケープコッドの外洋側は水深が800メートルもあるのでマグロを釣るのは数倍難しくなるらしい。

それでも簡単に釣れないのが巨大マグロ。

30分くらいで50メートルくらい離れたところに浮いた。大きさは150キロ以上は確実にありそうだった。

新しいレギュレーションになってから初めてのキープサイズだ。船長は手製のモリを組み立てて用意した。モリは打ち込んだら抜けるようになっていてロープの端にはブイが結んであった。
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20分くらいからロッドをまっすぐにして休む場面が多くなった。サミーは腕力は強いけど腰が弱点らしい。
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それでも座らず、誰の手助けも受けずに必死のファイトを続けた。

しかし47分後にフックアウトで終了。


キャスティングを再開すると、こんどはグレンにマグロがヒット!

ブラックマジックのロッドベルトを装着してファイト開始。
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今度はさほど走らなかった。

それでもなかなか浮上しない。80キロ以上はありそうだ。
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船の真下方向でのファイトが中心だった。

やはり腰が痛いのかグレンもこんなふうに休んでいた。ロッドをまっすぐにすることで腕を休めることができるし、腰も楽になる。
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腕っ節の強いアメリカのトップアングラーでもマグロとの長時間ファイトは辛いのである。

グレンは走られるとスプールを抑えてプレッシャーをかけていた。

ところが強く抑えすぎて19分でラインブレイク。

※アメリカ人のファイティングタイムはかなりアバウトであることが今回わかった。俺はヒット時間を腕時計で確認している。その上に撮ったビデオで再確認する。アメリカ人の誤差は多いときは3倍以上もあった。

サミーは7.7フィート、グレンは7.5フィートのロッドを使っていた。サミー曰く「8フィート以上のロッドは腰が痛くなる」ので長いロッドはGT専門でマグロには使わないそうだ。


その後はナブラは相変わらずあちこちで立つもののヒットしなくなった。

俺はマグロの捕食シーンをずっと撮り続けた。でも何とか撮れたのは数枚だけ。跳ねてから撮ったのでは遅い。どこで跳ねるか予測して狙うのだが、ほとんど外れた。
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そして3時半ごろストップフィッシング

1時間半ほどでハーバーに戻り、クラブハウスで夕食&反省会となった。マグロの話となると船長もアングラーも熱くなるのは世界各国どこも一緒である。
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2日目(最終日)

人数が多いので2艇に分かれて出港。サミー、エイドリアン、ビッグマンが昨日と同じ船。俺とび~るだ~さんとポールは昨年俺が乗った船だった。

問題はクルーのジェイソンがミヨシに立って最初にキャステイングしてしまうことだ。俺はあまりにもずうずうしいので客だと思って注意しなかった。しかも投げるときに後方を確認しないので危なくてしかたない。

昨日と同じポイントは鳥がほとんど見えず、マグロもたまに単発で跳ねる程度だった。

たまに鳥をたくさん引き連れた漁船が通り過ぎる。
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延々狙ったが、午前中はノーヒット。

午後、船は北へ向けて1時間くらい走った。そこは昨年攻めたポイントだった。

遠くに古い灯台が2本立っている島の沖である。歴史のある灯台で観光名所でもあるらしい。

昨年もいっぱいマグロは跳ねていたが、大きくて50キロくらいだった。ところが今年は小さくても80キロくらいだった。当然び~るだ~さんは見ているだけである(笑)

でも案外この人は掛けたら釣ってしまうのである。

4艇の突きん棒漁船が彼方に見えた。そのうちの1艇をしばらく見ていたが、漁師は長い船首の先端に立ち、いまにも突きそうな体勢だった。ここで捕獲されたマグロはすべて日本へ送られるそうである。
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すると灯台のある島の近くでナブラが立ち始めた。しかも凄いナブラだ。船は全速でナブラに近づく。水深は85~90メートル。

また1投でマグロが俺のルアーに襲いかかった。1回目は空振り、2回目も空振りで3回目にがっちりとフッキングした。
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投げたルアーはガンマの160だった。ロッドはDJ83MHである。かなりヘビーな部類に入るGTロッドだ。ドラグの初期設定は7キロ位だが、昨日よりはずっとヘビーに感じた。GTは基本的に走りを止めるゲームである。そのためマグロ用のロッドに比べて固くてヘビーである。魚には7キロのドラグは、7キロのプレッシャーだが、アングラーはロッドの長さと固さ、そしてテーパー率で感じる重さは大きく変化する。

この場所は、あちこちに何か仕掛けの付いたブイが浮いているので、さすがに大声でフォローを頼んだ。

途中、少しドラグを上げるとすいすいと浮いてきて12分でガイドにリーダーが入り水面に魚体が浮いた。日本ならここでモリかギャフを打つところだが、ここはリリースなので完全に浮ききるまでリーダーを掴まないようだ。船長は水中カメラを取り出して水中撮影を始める始末。もう一人のクルーは後方で見学しているだけだった。

そうこうしているうちに再びマグロは潜り始めた。最初はゆっくりとラインが出て行ったが、加速が付くとかなりのスピードで潜っていった。ラインは40メートルくらい出た。
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そこから大きな円を描いて泳ぎはじめた。10キロくらいのドラグでは全然浮いてこない。10キロでもBLC83/40とDJ83MHではアングラーの負担は大きく違う。とにかく辛かった。ファイト終了後に計るまでは13~15キロくらいのドラグに感じていた。しかも右手は中指が損傷していてほとんど力が入らない。
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ヒットしてから25分後くらいに完全に右手の握力がなくなり、肘でロッドを抱えてファイトを続けた。
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30分くらいで右手全体が限界になりかけたので、スプールを指で押さえてポンピングした。
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34分後、クルーがリーダーを掴んだ。最後までハーネスは使わず、一度も座らずファイトを続けた。
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しかしギャフが打ち込まれた瞬間にルアーが外れた。
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ギャフは皮一枚だった。
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次にマグロが首を振ったら簡単にギャフが抜けた。
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完璧な船べりリリースである(笑)

魚種:クロマグロ
重量:船長推定190ポンド(86キロ)
ロッド:カーペンターDJ83MH
リール:ステラ18000HG
ライン:サンラインPEジガー8HG・8号
リーダー:サンライン・システムリーダー(ナイロン)150ポンド、先端フロロ60号70センチ
ルアー:GT-γ160
ファイティングタイム:34分
船べりリリース




一応キャッチなので祝福を受けてます。
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その後もナブラは延々と沸いたがポールとジェイソンにヒットはなかった。


2日間連続で船中1匹のマグロをキャッチしたが、マグロを抱えている写真がない。レギュレーションだから仕方ないことだが、やはり釣り人として写真がないと寂しい。

今回の俺はダントツのヒット率だった。それはルアー、ロッドにあると思う。やはり日本で認められているタックルは世界どこへ行っても通用する。

スポーツフィッシング先進国で2日間堂々とファイトした。体調は咳、痰、中指靭帯損傷などで最悪だったが、2匹ともアメリカ人に賞賛されるファイトができた。これから2ヶ月は釣りが出来ないけど10月に再び訪れるときは体調万全で挑みたい。


日本に比べてはるかにマグロは多く感じた。しかも釣り船も漁船もほとんど見ない。同じナブラを2艇以上で狙うことはまずない。

俺自身マグロキャスティング歴は14年になるが、国内で50キロオーバーを掛けたことは一度もない。14年で40回行ったとして300万円は少なめにみて使っている。

マサチューセッツで3日間釣りをして航空運賃、宿泊費、船代など全部込みでも30万円未満ですむ。今回は2日間で64キロと86キロを釣った。

かかった費用をキロで割る(30キロオーバーのマグロのみで計算)
国内キロ単価 39,473円(40回分300万円÷76キロ)
海外キロ単価 3,333円(2回分50万円÷150キロ)

いつも言っていることだがGTにしてもヒラマサにしてもマグロにしても、いっぱい釣ることが一番の上達方法である。

海外でいっぱい釣ってから国内の難しい釣りに挑んだほうがキャッチ率は数倍高くなるだろう。

そしてたくさん釣ることによってわからない部分が見えてくる。


何匹も釣ってわかった一番大事なこと・・・

それは

折れない心。