2017/03/30

巨大クロマグロに挑む・その2「最前線」

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キャステイング&ジギングタックルの進化は目覚ましい。それは人間の進化よりはるかに早い。いつのまにか、300キロを90分以内で上げるポテンシャルを持つようになった。あとは人間がどれだけ進化できるかである。いずれ300キロを単独ファイトで90分以内にキャッチする者が出てくるだろう。
タックル同様、アングラーも日本人であって欲しい。



2年前からスピニングでカナダの巨大クロマグロに挑むアングラーが増えてきた。

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やるからには万全のタックルで挑むべき。中途半端なタックルや考え方はマグロを傷つけるだけで終わることが多い。

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カナダは90分をすぎるとクルーがリーダーを掴んで上げにかかる。

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時間制限内に単独で上がった。ここでの経験は竜飛でも七里でも役に立つ。日本ではこんな濃い練習はできない。

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豊かな海には夢がある。そして心も豊かにしてくれる。ここでは漁師と釣り人の争いはない。

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1.短時間で上げたかったらロッドは立てろ。
まず、どうして短時間で上げなければいけないのか。それはファイトの時間が長引けば長引くほど、リリース後の生存率が下がるからだ。アメリカの研究者はファイトタイム90分以内にリリースすれば90パーセント以上が生きていると報告している。
多くの釣り人は交代しないで釣りたいと願う。ところが200キロを超すマグロを90分以内に釣りあげるのはかなりの達人でない限り無理である。名誉を取るか、マグロの命を守るか、葛藤はあるだろうが、リリースしても死んでしまったら意味がない。カナダでは60分未満と言うルールがある。※だが実際は90分くらいまでやらせてくれる。
ノースカロライナもこれからは90分ルールを考えるべきだろう。数年前なら「交代しないで5時間死に物狂いで頑張って200キロを上げた」は称賛に値したが、価値観に変化が起き始めている。
ロッドを立てれば短時間で上がるのは数々のファイトが証明している。


サンライズの田代船長「立てるとマグロが止まる。寝かすとラインが出てしまう。立てたほうが魚が浮くのは早い」。そして叉長実測229センチ、重量推定180キロをファイトタイム40分でキャッチした。

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田代のタックル
ロッド:カーペンター70プロトタイプ(MOGIカスタムモデルのKLL71/45Sとバットパワーは同じ、ティップが5パーセント田代モデルの方が硬い。同じ時期に開発した。小西談)
リール:ステラ30000
ライン:SMP・PE12号
ルアー:ブルーフィッシュ100
シングルフック

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パッションズの荻原も昨年8月に205.6キロを青森県・竜飛沖でキャッチした。ファイトタイムは75分だった。荻原は2年連続ノースカロライナに挑み、100キロオーバーを連続キャッチしている。205キロを釣った後日、ノースでの経験が無かったら取れなかったと言っていた。

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荻原も田代も太平洋クロマグロの資源保護に熱心であり、水産庁前のデモにも毎回参加している。

荻原のタックル
ロッド:パッションズ6.8フィートプロト
リール:ステラ20000PG
ライン:ヨツアミ・キャストマン10号
ルアー:おにぎりペンシル160プロト
シングルフック



2.マグロの回復力はすごい。
マグロの筋肉は人間の筋肉の4倍のスピードで回復するらしい。ロッドをまっすぐにして休んでいると、マグロも休んでいることになる。しかも人間より早く元気になってしまう。それではファイトタイムは縮まらない。いかにプレッシャーをかけ続けるかがマグロとの勝敗の分かれ目なのだ。

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魚探に映ったクロマグロ。アベレージは300キロ以上である。日本では絶対に見られない。

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3.最初の10分~20分は勝負しない。
カナダのマグロは最初は速いが、しばらくすれば落ち着いてくる。そして30分以内に100メートル近辺でのファイトとなる。最初のパワーは半端ではないので、喧嘩しないで相手だけを疲れさせることに徹する。喧嘩しても疲れるだけだし、それは長時間ファイトにはマイナスになる。
ノースカロライナのマグロは一気に潜る。そのときは無理に止めない。200メートル以上潜ると水温も一気に下がり、マグロの動きが鈍くなる。それから自分のペースを守って徐々に差を詰めていく。

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4.最後の勝負に備えて体力を残しておく。
ペースは最初から20分くらいまではセーブしておく。そのあとも常に20パーセントの力を残すファイトをする。マグロは気まぐれである。あるとき、突然チャンスが回ってくる。そのときに体力が残ってなかったら勝負をかけられない。
それと年長者は絶対に全力を出してはいけない。一度体力を出し切ってしまうと回復まで長時間を要する。

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5.最先端タックルは300キロを90分以内に上げる力を持つ。
タックルの進化はアングラーの進化をはるかに超えている。それを実践したのがサミー率いるアメリカ軍団。600ポンドオーバーのマグロを4人が短時間で交代して85分でキャッチしたのだ。一人で上げようとしたらペース配分を考えなくてはならない。それが10分で交代できるなら、倍以上のパワー、そしてロッドを立てたままのファイトが可能になる。
そのタックルは日本製だった。タックルは300キロを90分以内に上げるまで進化したのだ。

アメリカチームのタックル
ロッド:シービーワンVFR7020
リール:ソルティガ6500
ライン:SMP・PE10号
シングルフック


6.カナダの漁師用ロッドは長い。
ロッドが短すぎると強いプレッシャーをかけにくい。長いロッドは立てるだけでかなりのプレッシャーとなる。ただしスタンドアップでの釣りには向かない。魚に大きなプレッシャーがかかるということは、釣り人にも大きな負担がかかるということ。カナダの漁師はロッドホルダーに差し込んだまま釣りをするので長さは気にならない。

7.深いところのマグロは手強い。
ニュージーランドとノースカロライナは深い。水深は400~900メートルくらいある。300メートルくらいまでは潜ることが多い。マグロは潜ると動きは鈍くなるのだがなかなか浮いてこない。これがカジキと違うところ。カジキは浮くのでファイトタイムはマグロよりずっと短い。

8.浅いところのマグロは猛スピードで横方向に走る。しかし時速100キロは出ない。
PEラインのカラーが5秒間に何色出されたかでスピードはだいたいわかる。50キロ以上出すことはほとんどない。瞬間的な速度でも100キロは出てないだろう。

9.どんな大きなマグロも300メートルも走れば疲れる。
もしドラグ20キロにしておいてマグロが時速50キロ以上で1分以上走り続けたら1000メートルくらいラインが出ることになる。そんなマグロに出会ったことはないし、もしいたらリールのドラグは想定外の高熱で使い物にならなくなるだろう。
300キロのマグロでもだいたいが300メートル以内で止まる。そしてしばらく休んでまた走る。リールのドラグもそのときに熱が下がる。スプールに水をかける必要はない。

10.スピニングリールが巨大魚に不利なわけ
スピニングリールの最大の欠点は糸撚れである。3時間以上長時間ファイトをやるとヨレヨレになっている。そしてパリパリになり、しなやかさが無くなる。PE8号ならドラグ15キロで5時間前後で切れる。PE10号ならドラグ18~20キロのファイトで5時間で切れる。
ベイトリールは糸撚れがほとんどないので、長時間向きである。また同じ号数でもスピニングよりベイトのほうが引っ張り強度も高い。スピニングはラインローラーのところで切れることが多い。ベイトにはラインローラーがない。


4時間も経てばラインはヨレヨレ。

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マレーシアのジェイソンはベイトタックルで263キロのクロマグロを単独ファイトでキャッチした。ファイトタイムは4時間47分。一度もロッドを船べりに付けなかった。

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ジェイソンのタックル
ロッド:MAXEL TRANSFORMER 411
リール:JM PE7
ライン:PE8(シマノ)
シングルフック

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昨年は70歳の方が巨大クロマグロに挑んだ。結果は3匹キャッチ、最大は420キロ。やってやれないことはない。
本人「久しぶりに朝立ちしたよ」
素晴らしい!

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10.大西洋クロマグロはどこで生まれるのか?
産卵場は地中海とメキシコ湾である。
地中海で生まれたマグロの一部は大西洋を横断してアメリカ、カナダの東海岸まで回遊する。そしてメキシコ湾で生まれたマグロの一部はアイルランドやアイスランドの沖にまで回遊する。そして必ず生まれた海に戻って産卵する。

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11.太平洋クロマグロはどこで生まれるのか?
主な産卵場は南西諸島(沖縄)と日本海である。南西諸島は4月から6月にかけて。日本海は6月から8月にかけて産卵する。日本海群と南西諸島海群は現在のところ区別されてない。日本海のマグロは3歳で80パーセントが成熟する。南西諸島のマグロは5歳で成熟すると言われている。3歳、4歳のうちは日本海で産み、5歳になると南西諸島で産むと言う研究者もいるが、推測の域を出ていない。俺は地中海とメキシコ湾のように、群が違うのではと考えている。日本海側が若いのは、単に高齢魚を獲り尽してしまったからだ。

12.クロマグロは水温何度まで耐えられるのか?
クロマグロは水温が2度になると心臓が停止する。キハダマグロは7度で心停止する。クロマグロが北海道北部や、カナダ、ノルウエーまで回遊するのは低水温に強いから。そして北には餌が豊富にある。北大西洋はニシンとサバ。北太平洋はサンマとスルメが主な餌だ。太平洋は水温が13℃に下がるとマグロがいなくなる。これは餌のサンマやスルメが13℃になると南下する。それを追いかけるようにマグロも南下する。餌さえあればマグロは10度以下でも生きられる。



アメリカはNOAA(アメリカ海洋大気庁)が水産資源を管理している。日本の環境省に近い。日本も資源管理は環境省に移したらいいと思う。水産庁は天下り、利権、癒着で何もできないのだから。
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釣りのレギュレーションブック。これは無償で配布される。子供のころから資源管理に関心を持つことはとっても良いことだ。

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最後に俺が勧める巨大クロマグロ用最前線タックル

キャスティング用
ロッド:カーペンターKLL71/45S、シービーワンVFR7020、ソウルズ・アシュラ65、同70
リール:ステラ30000、同20000(MAXスプール)、ソルティガ8000H
ライン:バリバス、サンライン、ヨツアミなど。PE10号以上。

ジギング用(スピニング)
ロッド:カーペンターKLL55/60プロト(茂木がノースカロライナで使用した。130キロを20分でキャッチ)、ソウルズ50プロト(40キロぶら下げテスト済み)
※ジギング用はプロトタイプのみ。55/60は7月発売予定。
リール:ステラ30000、ステラ20000(MAXスプール)
ライン:バリバス、サンライン、ヨツアミなど。PE10号以上。

ジギング用(ベイト)
ロッド:カーペンターKLL50/50B、剛樹54プロト
リール:タリカ20、同25、ブルーヘブンL120
ライン:バリバス、サンライン、ヨツアミなど。PE8号以上。


最後に

本気でやれば何でもできる。

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2017/03/30

巨大クロマグロに挑む・その1「歴史」

人生には大きく分けて二つの生き方がある。

前向きと後ろ向き

過去に失敗を繰り返した人(もちろん成功もある)はどうしても考え方が後ろ向きになる。
どうせダメだ、自分には無理だ、そんなことをやっても意味がない、そんなの夢だ、などなど。
成功を繰り返した人(もちろん失敗もある)は、前向きに考える傾向が強い。
やればできる、やらなければわからない、失敗は成功の基、当たって砕けろ、などなど。



薩摩流の教え
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どっちの人生を選ぶかは個人の自由だが、俺は挑戦を選ぶ。

失敗を恐れていては、いつまでも成功の感動は味わえない。

限界に挑む。勝つまで諦めない。

人生は絶対に挑んだ方が楽しい。

そして敗北はこれっぽっちも恥ずかしいことではない。



巨大クロマグロを釣る。俺が初めて巨大と言えるクロマグロに挑んだのは2007年だった。
それまでも青森や七里でクロマグロに挑んでいたが、50キロオーバーは掛けたことすらない。また国内で100キロオーバーのナブラを見たのは3年前(2014年8月)の茨城・大洗沖だけだ。日本海側は2005年以降、数は激減、サイズも小型化していった。

ところが海外では夢の200キロオーバーが次々とヒットする。そして300キロオーバーのナブラにも遭遇する。そのスケールはとても同じ海とは思えない。

まず挑んだのがニュージーランド南島沖だった。2007年のことである。釣り方はスタンドアップ(スタンディングファイトともいう)だった。当時、日本国内での巨大クロマグロ釣りと言えば電動リールにウインチ(船べり固定)というのが常識だった。スタンドアップで手巻きなんて誰もやってなかったし、教科書もなかった。一から自分たちで考えるしかなかった。1993年に始めたPEラインを使ったディープジギングもそうだった。誰もやってない釣りは俺は大好きだ。

結果はタックルに問題があり、ラインブレイクの連続、キャッチできたのは1匹だけだった。
ニュージーランド南島の巨大クロマグロ後半組②
http://grouperboys.web.fc2.com/07report_a/0708grey_2/grey_b.htm

当然、それでは終わらない。1年後にリベンジした。結果は10匹キャッチして7匹リリースした。リベンジ大成功である。
そして翌年はスピニングタックルでも250キロをタグ&リリースした。
4年間挑み、結果は以下のとおりである。

1年目 2匹キャッチ(1匹はミナミマグロ)
2年目 10匹キャッチ(7匹リリース)
3年目 11匹キャッチ(9匹リリース)
4年目 5匹キャッチ(3匹リリース)
合計 28匹キャッチ(19匹リリース)

スタンドアップ 26匹
チェアー 1匹
スピニングでハーネスなし 1匹
200キロオーバー 26匹
最大陸上実測 322キロ
最大推定 400キロオーバー
最長ファイティングタイム 10時間50分
交代 0

ニュージーランド総集編
4年連続挑んだ巨大クロマグロ総集編1
http://uminchumogi.blog111.fc2.com/blog-entry-92.html

4年連続挑んだ巨大クロマグロ総集編2
http://uminchumogi.blog111.fc2.com/blog-entry-93.html

4年連続挑んだ巨大クロマグロ総集編3
http://uminchumogi.blog111.fc2.com/blog-entry-94.html


ニュージーランドに挑み始めたころはハーネスも、リールも、ロッドも、何が良いのかわからなかった。

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船のタックルも最初のころは使った。

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いきなりスピニングで挑んだ者もいた。

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結果は5分で終了。猛スピードでラインが出て、残りわずかになったときスプールを押さえたら簡単にブレイク。

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これは伝説の10時間50分ファイト。ヒットしたときは真夜中。

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明るくなり、昼過ぎまでファイトは続いた。

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最後は220ポンドのナイロンラインがぶち切れた。


俺が2009年にスピニングで挑んだ。

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終了直後にドラグを計測したら25キロのバネ計りを振り切ってしまった。メインシャフトが歪み、スプールは回転枠に当たっている。

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3年目にはほぼニュージーランドでのスタンドアップファイトは完成した。26匹の200キロオーバーをキャッチして、翌年からスタンドアップは新たな場所「カナダ」に挑むことにした。

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ニュージーランド沖は、ここ数年振るわない。それは太平洋クロマグロの資源が激減したことが原因だろう。



ニュージーランドでの経験を生かして、玄界灘の七里ヶ曽根でもスタンドアップで挑んだ。

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経験豊富な船長の完璧なアシストで、スタンドアップ初心者が191キロを40分でキャッチした。

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そして2010年からケープコッドのキャスティングマグロにも挑んだ。
この年は2日間釣りをしたが、2日間とも朝の1投でキャッチした。残った時間はアメリカ人の釣りを見ていた。俺は2日間で2回しか投げなかった。日本ではありえない効率の良さだ。
ただしパナマで中指を靱帯損傷(全治2か月)して1週間も経ってなく、さらに8フィート以上のロッドで挑んだのでかなり辛かった。とくに2匹目は83MH(GTロッドとしてはヘビーな部類、そして実測は8.5フィートある)なのでかなり辛かった。
このころはマグロ専用のキャスティングロッドがほとんどなかった。主にGTロッドを兼用していた。

ケープコッド沖キャスティングマグロ
http://uminchumogi.blog111.fc2.com/blog-entry-88.html


このときは2日連続、1投でキャッチだった。

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そして、いよいよ2011年からはアメリカ・ノースカロライナとカナダ・プリンスエドワードのマグロに挑んだ。どっちもとんでもない海だった。

まずはノースカロライナ

2011年
ノースカロライナ沖で巨大クロマグロ連続ヒット!①
http://uminchumogi.blog111.fc2.com/blog-entry-129.html

2012年
今年も凄かったノースカロライナのマグロ後半組その2
http://uminchumogi.blog111.fc2.com/blog-entry-214.html

2013年
100キロオーバー連発!ノースカロライナのクロマグロ・その2
http://uminchumogi.blog111.fc2.com/blog-entry-326.html

2014年からブログは手抜きになった。この年は1日に100キロオーバーを7匹キャッチした。150キロ、140キロ、130キロなど。
2014年の海外・1月から6月まで
http://uminchumogi.blog111.fc2.com/blog-entry-423.html


最初のころは8フィート以上のGTロッドで挑む人が多かった。ほとんどのアングラーは最後までロッドを立ててファイトができなかった。

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キャスティングロッドはどんどん短くなり、6フィート台から7フィート前半が主流となった。8フィート以上のロッドを使う人は皆無となった。

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ロッドが短くなり、そしてパワーアップしたことと、アングラーも経験を重ねて上達していった。キャステイングで150キロくらいまでなら1時間以内に上げられるようになった。

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さらにシングルフックが推奨されるようになった。魚のダメージが少ない、船上での危険回避、そしてバラシが少ない。



そして大西洋クロマグロの資源は漁獲枠を大幅に削減、そして無報告、密漁を徹底的に取り締まった結果、2011年ころから急激に回復している。そして資源管理は釣り人にも厳しいレギュレーションを設けている。コーストガードの海上での取り締まり、そして港に戻ればどこからともなく警察が現れてチェックする。違反すると高額な罰金、悪質なら逮捕、船長なら罰金の上にライセンスの没収となる。
資源は厳しい管理&監視なしには回復しない。

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次にカナダ
ここはとんでもなくデカい。アベレージは350キロ以上だった。そして水深が浅いのでマグロの泳ぐスピードが速い。リールは次々と壊れ、ロッドもボキボキ折れた。

2011年
想定外!カナダP.E.Iの巨大クロマグロ①
http://uminchumogi.blog111.fc2.com/blog-entry-163.html

2012年
2年連続カナダの巨大マグロに挑む!後半組その1
http://uminchumogi.blog111.fc2.com/blog-entry-261.html

2013年
カナダの巨大マグロに挑む・こんなリールで上がるわけがない!
http://uminchumogi.blog111.fc2.com/blog-entry-373.html

2013年は2名がカナダにスピニングで挑んだ。1人はドラグに泣き、1人は改造ドラグで推定386キロをキャッチした。
※386キロは単独ファイトだが時間オーバーなので参考記録。本人は一切公開していない。

2014年以降、カナダにスピニングで挑む者が増えている。挑戦好きの釣り人は効率の悪い釣り方を選ぶ。スピニング、ハーネス無し、スタンドアップ、単独ファイト、etc



カナダ1年目はトラブルが相次いだ。マグロの泳ぐスピードが想定外に速かった。

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マグロの魚影にも驚かされた。船べりに次々と現れる300キロオーバーには全員が度肝を抜かれた。

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1年目の失敗を教訓に2年目はカナダ用のロッドを作り、リールもドラグを改造して挑んだ。

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ハーネスはニュージーランドの2年目からブラックマジック製が中心だった。



カナダでは2年目以降、400キロオーバーが毎年キャッチされるようになった。

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そして、3年目にはスピニングで挑んだ。

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カナダも監視は厳しい。しかし資源を守り、増やすためには絶対に必要なことである。

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カナダで学んだことは短時間で上げることだった。ファイトタイム60分以内というレギュレーションも2013年にできた(現在は90分くらいまでは交代しないでやらせている)。理由はファイティングタイムが90分を過ぎるとリリース後の生存率が下がるのだそうだ。
カナダではヒットするとすぐに監視艇が近づいてくる。時間を計測しているのだ。そして釣りが終了すると船に乗り込んできてタックルをチェックする。ここではフックはバーブレスにしなければならない。

俺は短時間ルールに賛成である。釣り人はそれに向けて変化しなくてはならない。

短時間で上げるのに必要なのはパワーではない。ファイトの組み立てである。そして自分に合ったタックルである。ただし、キャスティングしかやらないという人は別である。それは究極のチャレンジであり、最も過酷なチャレンジでもある。ただし、90分以内という目標は持っていただきたい。


海は無限ではない。

日本人の多くはいまだにそれに気づいてないようだ。

そして、魚はどんどん小さくなり、少なくなった。比例して夢も小さくなり、語らなくなった。挑戦する釣り人も少なくなった。

大西洋には夢がある。その夢はどんどん大きくなっている。世界中からチャレンジ精神旺盛なアングラーが押し寄せている。

大西洋のクロマグロ親魚資源量は推定65万トン。対して太平洋は1.7万トン。
なんと半分の面積しかない大西洋の方が40倍もクロマグロがいるのだ。

資源管理こそが夢への近道なのだ。


巨大クロマグロに挑む・その2「最前線」へ続く
2017/03/16

クロマグロを守るために今年もデモをやります。

今年も産卵期のクロマグロを守るために水産庁前と一番産卵期のマグロを獲っているニッスイ本社前でデモを行います。
合わせて今年はやる気を感じられないWWFジャパン、そして全国まき網漁業協会の前でもデモを予定しています。

5月25日(木) 12:45集合~14:30解散予定
集合場所 日比谷公園霞門前
参加申し込みアドレス uminchumogi@nifty.com
※氏名、携帯番号、メールアドレスを添えて申し込んでください。また昨年、一昨年に着たTシャツ、ポロシャツで参加してください。初めての方は、サイズを教えてください。当日お渡しします。1着1500円です。


昨年のデモです。昨年の6月15日に北海道から、九州、沖縄、台湾、タイなどから105名が参加した。
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水産庁前を「しっかり資源管理をやれー!」と堂々と歩く。ニッスイの前では「産卵期のまき網をやめろー!」と歩く。
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これは一昨年のデモ。86名が参加した。
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デモの翌月は境港を訪問した。境港では白須会長(山陰まき網協会)に案内をしていただいた。
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境港の漁業関係者と対談。前向きな意見交換ができた。
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デモを業界新聞に寄稿。
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境港での協議も寄稿した。
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同じ月に青森県の深浦漁港を訪問。(青森県一のクロマグロの水揚げ港)
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深浦の苦しい現状を組合長から聞かせていただいた。
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資源保護活動に本格的に取り組んで3年目を迎えたが、少しずつだが進展を感じる。今までは水産関係者しか参加できなかった会議や発表会に釣り人も参加できるケースが増えてきた。水産関係者が釣り人の声にも耳を向けるようになった。それは確実に前進と言えるだろう。
俺は常々「海は国民の財産」と言っている。水産資源は一部企業や天下りの物ではない。資源枯渇は今も進んでいる。我々国民はそれに対して、強く抗議する資格があるのだ。

減り続ける我が国の水産資源。クロマグロに限らず、アジ、サバ、ホッケ、ニシン、スケソウダラ、スルメ、シシャモ、などなど、多くの魚がこの1世紀で9割以上減少した。そして現在も減り続けている。

資源が増えたか、減ったかは我々釣り人は海に出ているので自分の目で確認することもできる。釣り人からアンケートをとっても、ほとんどの魚種で「減った」という回答が「増えた」という回答の数倍あった。クロマグロに関しては圧倒的に「減った」の回答が多かった。

中でも日本海側のクロマグロの減少は著しい。その原因は産卵期に漁獲が集中していることにある。その漁獲されるクロマグロの多くが初産卵なのである。30~40キロの卵を抱えたクロマグロが一度も産卵をすることもなく殺されているのだ。

このままでは水産業の未来も、釣りの未来も真っ暗である。

何もせずに衰退を見続けるのか、それとも未来のために何らかの行動を起こすのか。

太平洋クロマグロはすでに「待ったなし」なのだ。



俺は国内の現状も毎年海に出て見続けているが、海外の現状も自分の目で確認している。

カナダのプリンスエドワード島には毎年2回行っているが、その資源はあきらかに回復している。

プリンスエドワードでは釣り人はすべてリリースが基本である。それでも世界中から釣り人が押し寄せている。遊漁は2009年から開始されたが、釣り船、そして訪れる釣り人の数は増える一方である。これこそ地方創生と言えるだろう。
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小さな島の小さな漁港だが、マグロ釣りのシーズンになると釣り客や観光客で賑わう。この海域のクロマグロのアベレージサイスは優に300キロを超える。
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大西洋の東側もクロマグロの資源は急激に回復している。スペインの釣り船はすぐに予約でいっぱいになる。3年先まで予約が埋まっている船もある。


昨年から、釣り人は多くの会議や水産関係の発表会に参加した。質問も積極的にやっている。

今年の2月には水産研究・教育機構の宮原理事長と対談した。水産行政の研究部門はここが中心となってやっている。
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宮原理事長「水産資源は将来の人のためにある」「我々はそのために資源管理をしっかりやらなければならない」「産卵期のクロマグロなんか獲るもんじゃない」
※対談の様子は秋以降に某大手テレビ局の人気番組で放送の予定。


2月に開催されたスポーツフィッシングフェスティバルでは、東京海洋大学の勝川先生と羽田市場の野本社長に資源管理のお話をしていただいた。勝川先生「釣り人の資源管理への関心は確実に強くなってますね」。野本社長「食文化を守るためにも資源管理はしっかりやる必要がある」。
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3月16日現在(日本時間)、アメリカのノースカロライナでマグロ釣りをしているが、巨大クロマグロが確実に増えている。
悪天候で出船中止が相次いでいるが、出船すれば必ず巨大クロマグロの群れに遭遇する。そのアベレージはなんと200キロ前後である。
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6日前にはジギングで263キロのクロマグロがキャッチされた。ファイティングタイムは4時間47分。これはジギングに限らず、ルアー界の歴史に残る快挙である。この日はこのサイズの群れに遭遇してあちこちの船でファイト(我々日本人だけで少なくても10回以上)があったが、ことごとくラインブレイクだった。
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豊かな海は人の心も豊かにする。出船中止が相次いでも誰も愚痴を言うものはいない。それは誰もが必ずチャンスが来ると信じているからである。

日本の海もかつてはこんな海だったことは多くの古い資料や文献、そして白黒の写真で確認できる。



悪天候で出船できない日は漁師にインタビューをやった。ノースカロライナは資源回復に伴い、3年前からマグロ漁師が増え続けている。

引き縄の漁師「マグロは儲かる。資源は確実に増えているよ」
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そんな海を取り戻すために。

デモをやります。