2012/04/04

今年も凄かったノースカロライナのマグロ後半組その1

後半戦もダブルヒットが相次いだ。
n7_20120404125808.jpg


前半組の途中からシングルフックに変更して、後半組はずっとシングルフックで通した。
トレブルだと鰓や喉に掛かることが多く、リリースしても死んでしまうからである。マグロは口元にさえ掛かれば90パーセント以上生きているという研究結果がある。しかし鰓は致命傷でほぼ100パーセント死んでしまうそうだ。
n1_20120404125812.jpg


後半もサミはガンガン投げてヒットしていた。
n2_20120404125811.jpg

シングルに替えてからは飲み込まれるケースはほとんどなくなった。
n3_20120404125810.jpg

9分でキャッチ。推定60キロ!
n4t.jpg

続いてボケヒロ佐野にヒットしたが3分でフックアウト。
n5_20120404125810.jpg



今度はダブルヒット!
n6_20120404125809.jpg

ボケヒロは7分でキャッチ。推定45キロ!
n8t.jpg


そして栓抜きの孤独なファイトとなった。
n9_20120404125955.jpg

途中から肘で抱えることが多くなった。
n10_20120404125954.jpg

さらに船べりで休むことも・・・
n11_20120404125953.jpg
50分でフックアウト。ドラグは実測16キロだった。


まだまだやり方が見えてないファイトだった。

経験を積めば見えてくるはずである。



そして2日目


あちこち筋肉痛の栓抜きにいきなりヒット!
n12_20120404125952.jpg

今度はジギングなので安定したファイトだった。

そして

ようやくリーダーをつかんだ。
n13_20120404125951.jpg
しかしマグロの強い抵抗にあいリーダーを離してしまった。

そんなことが数回繰り返された。強引に寄せるとリーダーが切れてしまうからである。

とにかくマグロはタフな魚である。

そして1時間、1時間30分と時間は過ぎていく


苦しいファイトがいつまでも続く
n14_20120404125950.jpg

2時間過ぎたころ、ハーネスを付けた。本人は嫌がっていたが、俺が限界と判断して付けさせた。
n15_20120404130102.jpg

しかし、ハーネスが体に合わないらしく、腰に食い込んでかなり痛そうだった。

クルーは4回目も掴んだリーダーを離してしまった。

このころから栓抜きは「ラインが切れてくれ」と心の中で叫んでいたそうである。

とにかく苦しいのだ。


クルーがリーダーをつかむのはこれが5回目。
n16_20120404130101.jpg
船べりリリース!

船長指定136キロ!

ファイティングタイム3時間13分。


長い闘いだった。おめでとう栓抜き!
n17_20120404130100.jpg


そして3人目は屑弁。

4匹でクロマグロ1トンを達成した男である。
ニュージーランドで240キロと322キロ、カナダで408キロ、そして青森で30キロ。

大物を見慣れているせいか、ファイトは落ち着いていた。
n18_20120404130059.jpg

無理のないファイトだった。
n19_20120404130058.jpg

11分でキャッチ!
n20_20120404130057.jpg

ルアーはパンドラだった。
n21_20120404130201.jpg
しかしルアーの使い方を知らないので、動かし方はガンマだった(爆)

キャスティングの自己記録となる65キロ。
n22_20120404130200.jpg

いつも面白い男である。釣っても釣れなくてもいつも同じ。
n23_20120404130159.jpg

いちおう弁護士らしい。



3日目が来た。

この日、俺はノースカロライナで初めて投げた。昨年は震災で自粛。そして今回は前半組は参加者が多いので投げず、後半組のときに全員キャッチしたら投げる予定だった。

マグロとのファイトは一昨年の7月ケープコッド以来やってない。そのときは百日咳、そして1週間前にパナマで右手中指側副靭帯を痛めて、ロッドも満足に握れずほぼ左手1本でのファイトだった。かなり苦しいファイトだったが86キロと64キロをキャッチした。

今回も体調不良に運動不足。

「大きいのがヒットしたら・・・」


そんな不安を抱きながら投げたら

すぐにヒットしてしまった(^^;;;


最初は無理をせず、ドラグ8キロくらいで始めた。

徐々にドラグを上げていき

マグロが船下にきたときにさらに締め上げた。

しかしなかなか浮いてこない。

ドラグは15キロ以上になっているはずである。


さらに締め上げた。おそらく20キロ以上になっているはずだ。

そして15分後にやっとマグロが水面に姿を見せた。
n24_20120404130158.jpg
あと1メートル

そして一瞬、水面に飛び出した。

フックは胸鰭の横に掛かっていた。どおりで重いわけである。

船は微速前進をしている。マグロは横向きになり、完全にシーアンカー状態で凄い抵抗である。生命感はほとんどない。マグロはほぼ仮死状態である。

リーダーは何度もガイドに入り、一度はトップから6番目のガイドまで入った。

でもジョージはリーダーを掴まないで直接ギャフを口元に掛ける体制だ。

俺は心の中で叫んでいた「頼むからリーダーを掴んで・・・」

とにかく重い。
n25_20120404130157.jpg
そんなファイトが3分続き、ついにロッドを立てていられなくなった。握力もほとんどない。

ロッドを真っすぐにして船べりに肘を付いた。

ロッドを真っすぐにしたので、ガイドの抵抗がなくなり、ラインが再びジリジリと出て行った。

ドラグを締めようとするが、少しだけ動いただけであとはどうにもこうにもビクともしない。

フルドラグである。それでもラインはジリジリと出ていく。

船長に叫んだ。

「船を止めてくれ!」

クラッチを切ってニュートラルにしたが、それでもラインが出ていく。

「潮が速い」と船長は言った。さらに潮と風が逆である。

スプールを押さえて、数センチロッドを引いて、戻しながらスプールを手で回転して回収することにした。

しかし、潮が速いのでなかなか回収できない。引いた分を巻こうとしてもマグロが潮で引っ張られるのでスプールを回せないのだ。

とにかく辛かった。

みんなが「2度とやりたくなくなる」と言っている気持ちがよくわかった。

ラインは少しずつだが回収していき、残り15メートル(最後のカラー)までとなった。


そして33分後

「フッ」と軽くなった。

身切れによるフックアウトだった。

ドラグを測ると29キロだった。
※ステラ20000のドラグはカタログ上では25キロだが、実際はMAX29キロくらいである。


29キロでもラインがジリジリ出ていく魚なんて釣れるわけがない。

そう思った。


そして、ふと思い出してスプールの表面を見た。

きれいである。回転枠と接触した形跡はなかった。


すると3年前にニュージーランドでのドラグは何キロだったのか?

あのときは25キロまでのバネバカリしかなくて、それで測ったら振り切ってしまった。

スプールの塗装は剥がれていて、回転枠の内側も擦れた傷が残っていた。

そのときのファイト中の写真だが、スプールが回転枠に触れている。
n25b.jpg
ドラグは35キロくらいいってたかもしれない。

スプールはどちらも20000MAXである。

ニュージーランドでは、この一週間後に250キロを最後までロッドを立てたままで、一度も座らずに2時間45分でキャッチした。スピニングでハーネスなしである。これは世界中がビックリしていた。

同じ釣りをしたいが、現時点の俺の体では無理だな。


右肘が強烈に痛かった。そして30分くらい経つと腰が痛くなってきた。右手の握力は10キロもないだろう。箸も持てないような状態だった。

「しばらく釣りは無理だな」



そして、しばらくヒットがなかった。


終了間際にボケヒロが50キロを5分でキャッチ!
n26_20120404130156.jpg

3日目が終了した。


その2へ続く