マグロに挑んでわかったこと
8月に2年連続でニュージーランドにクロマグロを釣りに行った。
2年目にようやく結果が出た。そして2匹釣った後はスピニングで挑む予定でいた。しかし悪天候で順番が回ってこなかった。その新たな挑戦は来年に持ち越した。今年の経験から200キロくらいならスピニングタックルでいけるような気がしている。限界への挑戦はまだ始まったばかりだ。
またクロマグロはいろいろなことを教えてくれた。
まずわかったことは南太平洋にもクロマグロがいる。そしてDNA鑑定の結果、日本のマグロと同じと判明。なんと赤道を越えてニュージーランドまでクロマグロは泳いでいくのだ。
アメリカ西海岸にいるクロマグロも日本のマグロと同じDNAだ。そしてこのマグロたちの産卵海域は南日本からフィリピン北方海域にかけての範囲である。
※大西洋クロマグロは別種と判明している。
日本がマグロの乱獲をこのまま続ければ太平洋のクロマグロがさらに減ることになる。
マグロのタック(漁獲制限)は世界の海を4つに分けて、そのうち3つの海域は決められている。
http://www.wwf.or.jp/activity/marine/sus-use/tuna/problem/wariate.htm
その海域でマグロ漁をする船は発信機を取り付けられて、GPSでどこにいるのかいつでも監視側にわかるようになっている。そして抜き打ちで立ち入り検査がある。またWWFやグリンピースがヘリや飛行機を飛ばして常に監視もしている。違反したら多額の罰金を課せられるそうだ。 昨年はクロアチアが6000トンの違反操業。多額の罰金かマグロ漁の停止かのどちらかになるらしい。そのクロアチアのバックには日本の大手水産会社がついている。
また昨年のWWFは相次ぐ違反操業に地中海のクロマグロを3年間禁漁するよう求めたという報告もある。
http://www.wwf.or.jp/activity/marine/news/2007/20071029.htm
そして日本から台湾、中国東方海域だけ、いまだにタックが作られていない。だから獲り放題。特に巻き網は大問題らしい。 また巻き網は群れを根こそぎ獲ってしまうので一本釣りの漁師さんにとっても大迷惑な漁法である。
ちなみにアメリカのクロマグロのタックは以下です。
漁師(一本釣り)740トン
アマチュア(釣り人)309トン
巻き網292トン
つきん棒61トン
延縄56トン
合計1668トン
予備207トン
アマチュアに309トンも枠があるのが日本と違うところだ。アメリカ、豪州、ニュージーランドなどはレジャーとしての釣りの地位が高い。単純に計算して30キロ平均で1万匹である。日本のアマチュアアングラーが1万匹も年間で釣ってるだろうか?
境港の最近の水揚げは(巻き網)
2008年(中間報告) 2200トン 平均37キロ
2007年 1978トン 平均43キロ
2006年 1777トン 平均33トン
1980年代は平均が100キロ以上でした。年々固体は小さくなっている。
このままでは卵を産む親がいなくなる。
1982年 1400トン 平均118キロ
境港の水揚げが増えているのは巻き網船が境に集結するようになったことと、マグロを探す技術が進歩したこと、巻き網船がマグロを中心にを獲るようになったことが上げられる。マグロは確実に減っている。
マグロの生態の研究はアメリカを中心として行われている。衛星タグは1本50万円もするので予算の少ない日本の研究者はほとんど使えないらしい。
アメリカの研究機関のサイトです。これを見るとアメリカ西海岸のマグロが日本へ戻ってくるのがわかります。
http://www.topp.org/species/bluefin_tuna
この研究機関は最近ニュージーランドでもマグロに衛星タグを打ってます。
一番マグロの恩恵を受けてるのは日本ですが、回遊の研究はほとんど進んでいません。
WWFのサイトにも参考になることがたくさん載っています。
海の危機
http://www.wwf.or.jp/activity/marine/crisis.htm
持続可能な漁業の推進
http://www.wwf.or.jp/activity/marine/sus-use/index.htm
マグロについて
http://www.wwf.or.jp/activity/marine/sus-use/tuna/index.htm
ここを見るとクロマグロの成長がわかります。100キロまで7年、200キロまで11年、300キロまで15年かかります。あわせて太平洋クロマグロの分布と回遊経路もわかります。
http://kokushi.job.affrc.go.jp/H19/H19S/H19_04S.pdf
2007年4月号のナショナルジオグラフィックの大特集「魚が消えた海」も大ショックでした。
この秋、日本の漁業のあり方が問われるシンポジウムが開催されます。
★国際海洋環境シンポジウム2008★
10月17日に国連大学ウ・タントホールで日本の海洋環境の未来を考えるシンポジウムが開催されます。
http://www.greenpeace.or.jp/campaign/oceans/susea/campaign/oceans/
susea/index_html
タイトルは「海から魚が消える?私たちが今できること」
こういうのも「海洋保護区が日本の寿司を守ります」
HPの表紙ににぎり寿司が出ています。これが21世紀には食卓から姿を消した・・・と。
マグロが中心になると思います。日本は今、海外から漁獲制限(タック)を求められてます。特に巻き網が大きな問題です。
このまま獲りつづけたら・・・
釣り人にも大きな問題です。
興味のある方は参加を。
参加は事前登録が必要です。 上のHP内から登録できます。
写真はニュージーランドでマグロにタグを打つ瞬間

2年目にようやく結果が出た。そして2匹釣った後はスピニングで挑む予定でいた。しかし悪天候で順番が回ってこなかった。その新たな挑戦は来年に持ち越した。今年の経験から200キロくらいならスピニングタックルでいけるような気がしている。限界への挑戦はまだ始まったばかりだ。
またクロマグロはいろいろなことを教えてくれた。
まずわかったことは南太平洋にもクロマグロがいる。そしてDNA鑑定の結果、日本のマグロと同じと判明。なんと赤道を越えてニュージーランドまでクロマグロは泳いでいくのだ。
アメリカ西海岸にいるクロマグロも日本のマグロと同じDNAだ。そしてこのマグロたちの産卵海域は南日本からフィリピン北方海域にかけての範囲である。
※大西洋クロマグロは別種と判明している。
日本がマグロの乱獲をこのまま続ければ太平洋のクロマグロがさらに減ることになる。
マグロのタック(漁獲制限)は世界の海を4つに分けて、そのうち3つの海域は決められている。
http://www.wwf.or.jp/activity/marine/sus-use/tuna/problem/wariate.htm
その海域でマグロ漁をする船は発信機を取り付けられて、GPSでどこにいるのかいつでも監視側にわかるようになっている。そして抜き打ちで立ち入り検査がある。またWWFやグリンピースがヘリや飛行機を飛ばして常に監視もしている。違反したら多額の罰金を課せられるそうだ。 昨年はクロアチアが6000トンの違反操業。多額の罰金かマグロ漁の停止かのどちらかになるらしい。そのクロアチアのバックには日本の大手水産会社がついている。
また昨年のWWFは相次ぐ違反操業に地中海のクロマグロを3年間禁漁するよう求めたという報告もある。
http://www.wwf.or.jp/activity/marine/news/2007/20071029.htm
そして日本から台湾、中国東方海域だけ、いまだにタックが作られていない。だから獲り放題。特に巻き網は大問題らしい。 また巻き網は群れを根こそぎ獲ってしまうので一本釣りの漁師さんにとっても大迷惑な漁法である。
ちなみにアメリカのクロマグロのタックは以下です。
漁師(一本釣り)740トン
アマチュア(釣り人)309トン
巻き網292トン
つきん棒61トン
延縄56トン
合計1668トン
予備207トン
アマチュアに309トンも枠があるのが日本と違うところだ。アメリカ、豪州、ニュージーランドなどはレジャーとしての釣りの地位が高い。単純に計算して30キロ平均で1万匹である。日本のアマチュアアングラーが1万匹も年間で釣ってるだろうか?
境港の最近の水揚げは(巻き網)
2008年(中間報告) 2200トン 平均37キロ
2007年 1978トン 平均43キロ
2006年 1777トン 平均33トン
1980年代は平均が100キロ以上でした。年々固体は小さくなっている。
このままでは卵を産む親がいなくなる。
1982年 1400トン 平均118キロ
境港の水揚げが増えているのは巻き網船が境に集結するようになったことと、マグロを探す技術が進歩したこと、巻き網船がマグロを中心にを獲るようになったことが上げられる。マグロは確実に減っている。
マグロの生態の研究はアメリカを中心として行われている。衛星タグは1本50万円もするので予算の少ない日本の研究者はほとんど使えないらしい。
アメリカの研究機関のサイトです。これを見るとアメリカ西海岸のマグロが日本へ戻ってくるのがわかります。
http://www.topp.org/species/bluefin_tuna
この研究機関は最近ニュージーランドでもマグロに衛星タグを打ってます。
一番マグロの恩恵を受けてるのは日本ですが、回遊の研究はほとんど進んでいません。
WWFのサイトにも参考になることがたくさん載っています。
海の危機
http://www.wwf.or.jp/activity/marine/crisis.htm
持続可能な漁業の推進
http://www.wwf.or.jp/activity/marine/sus-use/index.htm
マグロについて
http://www.wwf.or.jp/activity/marine/sus-use/tuna/index.htm
ここを見るとクロマグロの成長がわかります。100キロまで7年、200キロまで11年、300キロまで15年かかります。あわせて太平洋クロマグロの分布と回遊経路もわかります。
http://kokushi.job.affrc.go.jp/H19/H19S/H19_04S.pdf
2007年4月号のナショナルジオグラフィックの大特集「魚が消えた海」も大ショックでした。
この秋、日本の漁業のあり方が問われるシンポジウムが開催されます。
★国際海洋環境シンポジウム2008★
10月17日に国連大学ウ・タントホールで日本の海洋環境の未来を考えるシンポジウムが開催されます。
http://www.greenpeace.or.jp/campaign/oceans/susea/campaign/oceans/
susea/index_html
タイトルは「海から魚が消える?私たちが今できること」
こういうのも「海洋保護区が日本の寿司を守ります」
HPの表紙ににぎり寿司が出ています。これが21世紀には食卓から姿を消した・・・と。
マグロが中心になると思います。日本は今、海外から漁獲制限(タック)を求められてます。特に巻き網が大きな問題です。
このまま獲りつづけたら・・・
釣り人にも大きな問題です。
興味のある方は参加を。
参加は事前登録が必要です。 上のHP内から登録できます。
写真はニュージーランドでマグロにタグを打つ瞬間
