帝国の繁栄と滅亡

人類の歴史を振り返ると繁栄と滅亡の繰り返しである。かつて世界最強の王国もしくは帝国として栄えた国家も永遠に繁栄することはできず、歴史の中に消えていった。

3年前に初めてピラミッドを見て5000年も昔にこんな凄い建造物を造った偉大なエジプト王国に敬意を感じた。しかしこれほどの強国もやがて滅びていく。
今年の12月にローマを訪れた。エジプトが滅び、オリエントが栄え、アレキサンダー大王の死後、急速に強大になり、永く世界最強として君臨した。「ローマは一日にして成らず」「コロッセオが滅びるときはローマが滅びるとき。ローマが滅びるときは世界が滅びるとき」とまで言われた強国である。
しかしそんな強国もやがて衰退して消えていく。

コロッセオも見た。パンテオンも見た。シーザーやアウグストゥスら古代の皇帝が歩いたフォロロマーノも歩いた。エジプトもローマも石で造られた建造物が主なので2000年以上経てもその形を残している。

若いときチャールトン・ヘストン主演の「ベンハー」を見て大ファンになった。そして数年前にラッセル・クロウ主演の「グラディエーター」を見て感動した。どっちも古代ローマを舞台にした映画である。一度は濡れ衣を着せられ奴隷、もしくは罪人にまでされ絶望の淵にたった男が多くの困難を乗り越えて這い上がっていく。そして復讐を遂げる。
コロッセオを見たとき、ベンハーやマキシマスがダブって見えた。
繁栄と滅亡。
いま、アメリカという強国が建国以来最大の危機に立たされているといって過言ではないだろう。
どんな強国もいつかは滅びる運命にある。
ただしエジプトもローマも危機を何度も乗り越えて永く繁栄した国でもある。
絶望の淵まで行って這い上がってきたベンハーとマキシマス。
大恐慌とも言われている今の世界。ピラミッドやローマを見ながら学ぶものがあるのではないだろうか。