2013/01/25

神話の国・エーゲ海編その2

アクロティリ遺跡は今から約3550年前の大噴火で埋もれてしまい、歴史の舞台から突然消えた。1974年から発掘が始まり、50メートルもの火山灰の下から発見された。この史上最大と言われる大噴火でクレタ島を中心にエーゲ海で栄えていたミノア文明(クレタ文明とも言われる)は大打撃を受け滅びたとも言われている。
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遺跡は現在閉鎖中なので模型でご勘弁を。2階建ての家が多い、中には3階建ての家もあったようだ。


フィラにある新先史期博物館を訪れた。新石器時代から後期キクラデス文明の化石や石器、そしてアクロティリ遺跡の出土品が展示されている。中でも見応えはアクロティリ遺跡の出土品である。


アクロティリ遺跡の出土品は50メートルもの火山灰に覆われていたので保存状態はエーゲ海の遺跡の中でも一番良いと言われている。
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下から順番に島は姿を変えてきた。
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現在のサントリーニ島。一番下の左側にアクロティリの遺跡がある。
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紀元前2300年から2700年ころに作られた像。
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この博物館の中でもかなり古い。
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これはさらに古い紀元前2800年から3300年ころに作られた土器。
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この博物館で一番古かった。ギザの3大ピラミッドが建設される前の時代である。
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これは釣り針。
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紀元前17世紀と言われている。こんな昔に青銅で針を作る技術があったのだ。日本は縄文時代で木や鹿の角などで針を作っていた時代である。日本で金属製の針が初めて現れたのは今から1800年前だからエーゲ海より2000年くらい遅い。日本の古代神話に出てくる海幸、山幸の針は金属製の針だったのかな?
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今でも使えそうなフライパン(鍋かも?)。紀元前17世紀ころに作られた。青銅製。
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これは巫女と言われている。凄い巨乳にしばらく足が止まる(笑)
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他にもたくさんの絵画が展示されていた。3600年以上も昔の絵なのに、色が鮮明に残っているのが凄い。


これはダチョウの卵で作られてます。
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猿が何匹も。絵画のレベルはかなり高度。
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アイベックスの置物。金製。
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博物館見学を終えて、古代ティラの遺跡へと向かう。

道路わきによく見える建物。教会らしい。そして噴火が起きた時の避難所でもある。
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この他にも島のいたるところで横穴を見た。噴火を繰り返してきた長い歴史を感じた。

そして紀元前9世紀ころから1000年も栄えた古代ティラを見学。島で一番高い山のてっぺんに作られた町である。日光のイロハ坂のような坂を登る。
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中腹から見下ろすとブラックビーチが見えた。
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サントリーニの空港も見える。
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さらに登る。
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遺跡の全体図。かなり大きな町である。
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車で上がれるのはここまで。あとは徒歩で登る。
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山頂に到着。古代ティラの遺跡をすみずみまで見学。
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通路。当時の生活、そして人々の姿が浮かんできた。
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とにかく広い。
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眺めも素晴らしい。こんな高いところになぜ町を作ったのか。そして1000年も栄えたことに驚きと謎を。
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このはるか彼方、120キロほど南にクレタ島がある。
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古代の人も同じ月を見ていた。
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クレタ島を中心に栄えたミノア文明は紀元前1400年ごろに滅んだと言われている。ギリシャ神話に出てくるミノタウロスはクレタ島に住む怪物だった。それを退治したテセウス。それらは当時全盛を誇り、エーゲ海の島々を支配していたミノア文明が滅んだ年代と時代的に通じている。
一説にはサントリーニの大噴火がミノア文明を滅ぼしたとあるが、やはりギリシャによって滅ぼされたと考えたほうが神話を読むうえで面白い。

そのクレタ島に1300もの部屋があるクノッソス宮殿が発見されたのは20世紀になってからである。その一度入ったら出口がわからなくなるような宮殿はミノタウロスを幽閉した迷宮ラビュリントスを彷彿させる。

こう考えるとテセウスも実在した英雄なのかもしれない。



次はいよいよエーゲ海の釣りです。

期待してはいけません(笑)