2016/05/19

デモのお知らせ

今年も産卵期のクロマグロを守るために水産庁前と一番産卵期のマグロを獲っているニッスイ本社前でデモを行います。
6月15日 12:45集合~14:30解散予定
集合場所 日比谷公園霞門前
参加申し込みアドレス event@sfpc.jp

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太平洋クロマグロの初期資源量は60~70万トンと推定されてます。また漁業者人口は昭和初期は200万人もいたそうです。
しかし、まったく科学的でない資源管理と、持続性を無視した乱獲(主にまき網)で太平洋クロマグロは初期資源の2パーセント未満まで減少しました。2010年は11505トンまで減少していたのです。
漁業者人口も17万人まで激減しました。魚が減ったことで収入が減り生活が苦しくなったのが一番の原因です。
なんと資源が2パーセントまで減少したのに、今年も産卵期のまき網は行われます。かつてはまき網で獲れるクロマグロの平均サイズは100キロを優に超していましたが、ここ数年は30キロ台と大幅に小型化しています。30キロ台というと初めての産卵です。初めて卵を産みに来たお母さんマグロを産む前に獲ってしまうのです。
大西洋クロマグロの産卵場は地中海とメキシコ湾です。地中海は産卵後にまき網で獲ってます。しかも年に3週間前後しかまき網漁はできません。メキシコ湾は1982年から産卵場でのマグロ漁は禁止されてます。その結果、大西洋クロマグロは資源が急激に回復しています。
我が国は、そのような産卵期のまき網漁を野放しにしてきた結果、資源は激減、2014年にはついに絶滅危惧種に指定されました。
それでも産卵期のまき網を続けるのは、狂っているとしか思えません。しかも産卵期のマグロは一番おいしくない時期でもあります。美味しい時期なら市場でキロ1万円以上になることは普通ですが、産卵期はキロ300円以下になることもあります。水産資源は国民の財産です。一部の水産企業の所有物ではありません。このような資源の無駄遣いは即刻やめるべきです。
すでに壱岐、対馬の離島漁師さんたちは昨年から6月と7月の産卵期のクロマグロ漁(30キロ以上)を自粛しています。このままではマグロは絶滅すると考え、漁師さんが自ら自粛と決めたのです。
また今年の4月に壱岐ではマグロ漁の未来を考え、マグロサミットが開催されました。全国から沿岸漁師、漁業者団体が参加(約500名)しましたが、水産庁とまき網会社は招待を断って不参加でした。

黙っていたら、近い将来、太平洋クロマグロは絶滅すると俺は考えてます。
産卵期のまき網漁を阻止するために今年もデモを開催します。





崩壊へと向かう我が国のクロマグロ漁業。

壱岐のマグロサミットで那智勝浦漁協は厳しい現状を訴えていました。しかし水産庁、まき網関係は招待したのにも関わらず不参加でした。一番聞いていただきたいところに無視されたのです。


那智勝浦漁協の水揚げは激減した。
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そしてついに勝浦漁協は5月17日に解散した。かつて那智勝浦は「マグロ王国」と呼ばれていた。

「日本有数のマグロ基地 勝浦漁協が経営不振で解散」
http://www.agara.co.jp/news/daily/?i=314684


厳しいのは勝浦だけではない。壱岐も対馬も水揚げは急激に減った。

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マグロサミットでは青森の大間漁協も、沖縄の八重山漁協も年々厳しくなる実情を訴えていた。


ところが水産庁は繰り返す。

「産卵期のマグロを漁獲しても資源への影響はない」

「資源が減った大きな要因は水温上昇などの環境の変化である」

水温は大西洋でも上昇している。水温上昇が資源の減少の原因というなら、大西洋も資源は減っていくはずだが、どうしたことか資源は回復傾向なのである。回復した原因はしっかりと資源管理をしたからである。

資源が減った原因を環境の変化になすり付けていたら未来永劫資源は回復しない。


大西洋の水温も上昇しているのだが。
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大西洋クロマグロの資源は急激に回復している。
親魚資源量の将来予測-10b


まったく不思議である。ところが我々の声は「感情論」「科学的根拠がない」などと言われて片づけられてしまうのである。


俺は水産庁に言う。


資源が誰の目にもあきらかに増えたと映るまで黙ってろ!

下方修正を何度もやって科学的根拠を語るな!



このままでは沿岸漁業の未来は真っ暗である。そして大手水産会社だけが生き残るかもしれない。漁師の消えた日本の沿岸は大手水産会社の新たな植民地となるのか?



では資源管理のおかげで毎年夢のような釣りができるカナダの写真を!


こんな夢のようなサイズが毎日釣れる。
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この海域のアベレージサイズはなんと350キロ以上!
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日本では一生かけても釣れないサイズが毎日ヒットします。
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初参加で300キロクラスを3匹釣った人も昨年はいました。
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ここで釣られたクロマグロの9割以上が日本へ送られます。日本は世界のクロマグロの約8割を消費しています。
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食べるだけで、資源管理にはまったく関心がない国。だから日本のマグロがいなくなり海外から買わなくてはならないのです。


こんな陸に近いところでヒットします。
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豊かな海は釣り人に夢に与えます。
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釣り人は基本は船べりでリリースです。リーダーをカットして海に返します。ほとんどのマグロがこのあとも生き続けて子孫を残します。生存率の高いリリース方法も常に研究、そして進化しています。
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こんな近くに現れることもよくあります。
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魚探には巨大クロマグロがたくさん写ってます。ほとんどが300キロオーバーです。
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ニシンもいっぱい。サバもいっぱい。
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リリースした釣り人には船長からリリース認定証が渡されます。
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日本も100年前、いや50年前はこんな海だったのかもしれません。



アフリカでもアフリカ象の保護に各国が真剣に取り組んでいます。象牙の印鑑なんて、必要なんですか?


よく食文化を守れという話を聞きますが、魚がいなくなったら食文化は守れません。それとスーパーに行けば外国産の魚ばかり並んでます。これで水産大国?これで世界に誇る日本の資源管理ですか?


2日前の東急スーパー(横浜市青葉区)。サバはノルウェー、ホッケはアメリカ、アジはオランダ産でした。
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次世代のために豊かな海を残しましょう!


そのために皆さんの力が必要です。


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