2017/03/30

巨大クロマグロに挑む・その2「最前線」

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キャステイング&ジギングタックルの進化は目覚ましい。それは人間の進化よりはるかに早い。いつのまにか、300キロを90分以内で上げるポテンシャルを持つようになった。あとは人間がどれだけ進化できるかである。いずれ300キロを単独ファイトで90分以内にキャッチする者が出てくるだろう。
タックル同様、アングラーも日本人であって欲しい。



2年前からスピニングでカナダの巨大クロマグロに挑むアングラーが増えてきた。

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やるからには万全のタックルで挑むべき。中途半端なタックルや考え方はマグロを傷つけるだけで終わることが多い。

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カナダは90分をすぎるとクルーがリーダーを掴んで上げにかかる。

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時間制限内に単独で上がった。ここでの経験は竜飛でも七里でも役に立つ。日本ではこんな濃い練習はできない。

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豊かな海には夢がある。そして心も豊かにしてくれる。ここでは漁師と釣り人の争いはない。

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1.短時間で上げたかったらロッドは立てろ。
まず、どうして短時間で上げなければいけないのか。それはファイトの時間が長引けば長引くほど、リリース後の生存率が下がるからだ。アメリカの研究者はファイトタイム90分以内にリリースすれば90パーセント以上が生きていると報告している。
多くの釣り人は交代しないで釣りたいと願う。ところが200キロを超すマグロを90分以内に釣りあげるのはかなりの達人でない限り無理である。名誉を取るか、マグロの命を守るか、葛藤はあるだろうが、リリースしても死んでしまったら意味がない。カナダでは60分未満と言うルールがある。※だが実際は90分くらいまでやらせてくれる。
ノースカロライナもこれからは90分ルールを考えるべきだろう。数年前なら「交代しないで5時間死に物狂いで頑張って200キロを上げた」は称賛に値したが、価値観に変化が起き始めている。
ロッドを立てれば短時間で上がるのは数々のファイトが証明している。


サンライズの田代船長「立てるとマグロが止まる。寝かすとラインが出てしまう。立てたほうが魚が浮くのは早い」。そして叉長実測229センチ、重量推定180キロをファイトタイム40分でキャッチした。

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田代のタックル
ロッド:カーペンター70プロトタイプ(MOGIカスタムモデルのKLL71/45Sとバットパワーは同じ、ティップが5パーセント田代モデルの方が硬い。同じ時期に開発した。小西談)
リール:ステラ30000
ライン:SMP・PE12号
ルアー:ブルーフィッシュ100
シングルフック

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パッションズの荻原も昨年8月に205.6キロを青森県・竜飛沖でキャッチした。ファイトタイムは75分だった。荻原は2年連続ノースカロライナに挑み、100キロオーバーを連続キャッチしている。205キロを釣った後日、ノースでの経験が無かったら取れなかったと言っていた。

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荻原も田代も太平洋クロマグロの資源保護に熱心であり、水産庁前のデモにも毎回参加している。

荻原のタックル
ロッド:パッションズ6.8フィートプロト
リール:ステラ20000PG
ライン:ヨツアミ・キャストマン10号
ルアー:おにぎりペンシル160プロト
シングルフック



2.マグロの回復力はすごい。
マグロの筋肉は人間の筋肉の4倍のスピードで回復するらしい。ロッドをまっすぐにして休んでいると、マグロも休んでいることになる。しかも人間より早く元気になってしまう。それではファイトタイムは縮まらない。いかにプレッシャーをかけ続けるかがマグロとの勝敗の分かれ目なのだ。

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魚探に映ったクロマグロ。アベレージは300キロ以上である。日本では絶対に見られない。

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3.最初の10分~20分は勝負しない。
カナダのマグロは最初は速いが、しばらくすれば落ち着いてくる。そして30分以内に100メートル近辺でのファイトとなる。最初のパワーは半端ではないので、喧嘩しないで相手だけを疲れさせることに徹する。喧嘩しても疲れるだけだし、それは長時間ファイトにはマイナスになる。
ノースカロライナのマグロは一気に潜る。そのときは無理に止めない。200メートル以上潜ると水温も一気に下がり、マグロの動きが鈍くなる。それから自分のペースを守って徐々に差を詰めていく。

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4.最後の勝負に備えて体力を残しておく。
ペースは最初から20分くらいまではセーブしておく。そのあとも常に20パーセントの力を残すファイトをする。マグロは気まぐれである。あるとき、突然チャンスが回ってくる。そのときに体力が残ってなかったら勝負をかけられない。
それと年長者は絶対に全力を出してはいけない。一度体力を出し切ってしまうと回復まで長時間を要する。

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5.最先端タックルは300キロを90分以内に上げる力を持つ。
タックルの進化はアングラーの進化をはるかに超えている。それを実践したのがサミー率いるアメリカ軍団。600ポンドオーバーのマグロを4人が短時間で交代して85分でキャッチしたのだ。一人で上げようとしたらペース配分を考えなくてはならない。それが10分で交代できるなら、倍以上のパワー、そしてロッドを立てたままのファイトが可能になる。
そのタックルは日本製だった。タックルは300キロを90分以内に上げるまで進化したのだ。

アメリカチームのタックル
ロッド:シービーワンVFR7020
リール:ソルティガ6500
ライン:SMP・PE10号
シングルフック


6.カナダの漁師用ロッドは長い。
ロッドが短すぎると強いプレッシャーをかけにくい。長いロッドは立てるだけでかなりのプレッシャーとなる。ただしスタンドアップでの釣りには向かない。魚に大きなプレッシャーがかかるということは、釣り人にも大きな負担がかかるということ。カナダの漁師はロッドホルダーに差し込んだまま釣りをするので長さは気にならない。

7.深いところのマグロは手強い。
ニュージーランドとノースカロライナは深い。水深は400~900メートルくらいある。300メートルくらいまでは潜ることが多い。マグロは潜ると動きは鈍くなるのだがなかなか浮いてこない。これがカジキと違うところ。カジキは浮くのでファイトタイムはマグロよりずっと短い。

8.浅いところのマグロは猛スピードで横方向に走る。しかし時速100キロは出ない。
PEラインのカラーが5秒間に何色出されたかでスピードはだいたいわかる。50キロ以上出すことはほとんどない。瞬間的な速度でも100キロは出てないだろう。

9.どんな大きなマグロも300メートルも走れば疲れる。
もしドラグ20キロにしておいてマグロが時速50キロ以上で1分以上走り続けたら1000メートルくらいラインが出ることになる。そんなマグロに出会ったことはないし、もしいたらリールのドラグは想定外の高熱で使い物にならなくなるだろう。
300キロのマグロでもだいたいが300メートル以内で止まる。そしてしばらく休んでまた走る。リールのドラグもそのときに熱が下がる。スプールに水をかける必要はない。

10.スピニングリールが巨大魚に不利なわけ
スピニングリールの最大の欠点は糸撚れである。3時間以上長時間ファイトをやるとヨレヨレになっている。そしてパリパリになり、しなやかさが無くなる。PE8号ならドラグ15キロで5時間前後で切れる。PE10号ならドラグ18~20キロのファイトで5時間で切れる。
ベイトリールは糸撚れがほとんどないので、長時間向きである。また同じ号数でもスピニングよりベイトのほうが引っ張り強度も高い。スピニングはラインローラーのところで切れることが多い。ベイトにはラインローラーがない。


4時間も経てばラインはヨレヨレ。

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マレーシアのジェイソンはベイトタックルで263キロのクロマグロを単独ファイトでキャッチした。ファイトタイムは4時間47分。一度もロッドを船べりに付けなかった。

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ジェイソンのタックル
ロッド:MAXEL TRANSFORMER 411
リール:JM PE7
ライン:PE8(シマノ)
シングルフック

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昨年は70歳の方が巨大クロマグロに挑んだ。結果は3匹キャッチ、最大は420キロ。やってやれないことはない。
本人「久しぶりに朝立ちしたよ」
素晴らしい!

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10.大西洋クロマグロはどこで生まれるのか?
産卵場は地中海とメキシコ湾である。
地中海で生まれたマグロの一部は大西洋を横断してアメリカ、カナダの東海岸まで回遊する。そしてメキシコ湾で生まれたマグロの一部はアイルランドやアイスランドの沖にまで回遊する。そして必ず生まれた海に戻って産卵する。

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11.太平洋クロマグロはどこで生まれるのか?
主な産卵場は南西諸島(沖縄)と日本海である。南西諸島は4月から6月にかけて。日本海は6月から8月にかけて産卵する。日本海群と南西諸島海群は現在のところ区別されてない。日本海のマグロは3歳で80パーセントが成熟する。南西諸島のマグロは5歳で成熟すると言われている。3歳、4歳のうちは日本海で産み、5歳になると南西諸島で産むと言う研究者もいるが、推測の域を出ていない。俺は地中海とメキシコ湾のように、群が違うのではと考えている。日本海側が若いのは、単に高齢魚を獲り尽してしまったからだ。

12.クロマグロは水温何度まで耐えられるのか?
クロマグロは水温が2度になると心臓が停止する。キハダマグロは7度で心停止する。クロマグロが北海道北部や、カナダ、ノルウエーまで回遊するのは低水温に強いから。そして北には餌が豊富にある。北大西洋はニシンとサバ。北太平洋はサンマとスルメが主な餌だ。太平洋は水温が13℃に下がるとマグロがいなくなる。これは餌のサンマやスルメが13℃になると南下する。それを追いかけるようにマグロも南下する。餌さえあればマグロは10度以下でも生きられる。



アメリカはNOAA(アメリカ海洋大気庁)が水産資源を管理している。日本の環境省に近い。日本も資源管理は環境省に移したらいいと思う。水産庁は天下り、利権、癒着で何もできないのだから。
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釣りのレギュレーションブック。これは無償で配布される。子供のころから資源管理に関心を持つことはとっても良いことだ。

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最後に俺が勧める巨大クロマグロ用最前線タックル

キャスティング用
ロッド:カーペンターKLL71/45S、シービーワンVFR7020、ソウルズ・アシュラ65、同70
リール:ステラ30000、同20000(MAXスプール)、ソルティガ8000H
ライン:バリバス、サンライン、ヨツアミなど。PE10号以上。

ジギング用(スピニング)
ロッド:カーペンターKLL55/60プロト(茂木がノースカロライナで使用した。130キロを20分でキャッチ)、ソウルズ50プロト(40キロぶら下げテスト済み)
※ジギング用はプロトタイプのみ。55/60は7月発売予定。
リール:ステラ30000、ステラ20000(MAXスプール)
ライン:バリバス、サンライン、ヨツアミなど。PE10号以上。

ジギング用(ベイト)
ロッド:カーペンターKLL50/50B、剛樹54プロト
リール:タリカ20、同25、ブルーヘブンL120
ライン:バリバス、サンライン、ヨツアミなど。PE8号以上。


最後に

本気でやれば何でもできる。

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