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2017/05/12

どこへ行く!我が国水産業!

カナダのプリンスエドワードではシーズンになると300キロを超すクロマグロが連日何本も水揚げされる。この海域で獲れるクロマグロのアベレージサイスは350キロ以上である。

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先月参加した北太平洋まぐろ類国際科学委員会(ISC)主催の太平洋クロマグロステークホルダー会合で同じ質問を繰り返す沿岸漁業者の声を聞いた。はじめのうちは「皆さん、礼儀正しいなあ」と感心して聞いていたが、午後には「あれ~?」「なんで同じことばかり言うんだろ」と疑問を感じてきた。

「これはどこかから送られてきた作文を読んでいる。」



その会合の詳細はここ
「豊かな海へ、腐敗と戦う」

http://uminchumogi.blog111.fc2.com/blog-entry-462.html



そして数日後に、その作文(発言フォーム)を入手した。


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某漁業組合長「海にはたくさんのマグロがいるにもかかわらず・・・」

どっからこんな言葉が出てくるんだろ?
親魚資源量は初期資源量の2.6パーセントまで減っている。その発表は2014年であるから、最新の資源量は3パーセント以上まで増えているかもしれない。ただし、それは最悪の状態から少しだけ増えただけである。



2枚目

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某漁業組合長「近年では経験したことのないほど多くのクロマグロの漁獲がありました。」

近年とはここ数年を指すようだ。確かに2012年以降は1万トン以下と漁獲が少ない。それは長年の乱獲で資源量が史上最低水準まで落ち込んでいたからである。ただしそれ以前には2万トン以上獲れた年が何度もある。2000年は24577トン、1995年は27091トン、1981年は30024トン、1956年は31285トンの漁獲がある。明治24年にも540万貫(約2万トン)の漁獲がある。エンジンのない時代に沿岸でこんなに獲れたのだ。


某漁業組合長「漁獲枠を一刻も早く増枠すべきです。」

資源量が2.6パーセントから、ほんの少し増えただけで漁獲枠を増やしたら、また元の最悪の状態に戻ってしまう。それではいつまで経っても豊かな海は戻ってこない。もっと長期展望に立って考えられないのだろうか。こんなことでは沿岸の未来は無い。
アメリカなど多くの国が支持する「初期資源量の20パーセントまで回復させる(B020)」を達成すれば枠も増える。その後乱獲せず、TACを決めてIQ方式を取り入れるなどして計画的に漁業を続けて行けば安定した収入がずっと得られるのだ。


日本の漁業が衰退したのは長期展望に立って考えず、目先、その場しのぎ、そして資源の減少を環境要因に擦り付け、これといった効果的な資源管理を怠ったからなのだ。


2日目に発言した漁業者の7割以上がほとんど同じことを言っていた。

国際的な会合の場で、こんなことをやらせる神経がわからない。

世界の笑われ者である(実際に笑っていた)



数日後

質問フォームの送り主は全漁連ということがわかった。水産庁から依頼されたのか、それとも勝手に判断したのか、そこはわからない。

狙いは昨年12月にフィジーで開催したWCPFC(中西部太平洋マグロ類委員会)の会議で各国に袋叩きにされたことに対しての反撃だろう。漁業者に言わせて、各国代表、海外NGOなどを追い詰めたかったのだろう。

しかし、こんなのは逆効果である。こんな茶番は日本国内でしか通用しない。


ある組合長は、最初は出席を断っていたそうだ。ところが急きょ飛行機で東京に駆けつけてこの作文を読み上げていた。
なぜ、そこまでするのか?

裏取引があったと考えるのが妥当だろう。

その数日後の新聞である。なんと追加枠である。


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国際会議で決められた枠を日本は4月中に超過した。しかも加盟国の中でダントツで多い枠をもらっているのにも関わらずだ。
それなのに、各沿岸に枠の追加配分である。これが組合長が急きょ予定を変更して上京した理由なのか?

水産庁?「枠をやるから・・・」???


世界との約束を反故していいのか!


次に全漁連

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すでに決められた枠を超えているのに増枠を要求。さらに休業補償である。
世界との約束を反故し、さらに国民の税金までいただく。すごい神経である。


約束は守りなさいと子供のころに教えられなかったのか?




昔がどんだけクロマグロがいたのかを知らない漁師が多いようなので教えてあげよう。
(実は全員が昔はいっぱいいたことを知っているのだが)

これは1982年の境港沖。この囲ってある中がクロマグロの漁場である。839と849がとくに漁獲が多かったそうだ。こんな近くでクロマグロが獲れたのである。片道1時間で漁場に着く。


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しかも、わずか19日間で1637トンである。36年も前だから船の装備も今に比べればかなり劣るはずだ。それでもこんなに獲れたのだ。しかも平均サイズが121キロである。近年は40キロ前後である。


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やがて日本海西側は獲り尽し、最近の漁場は新潟沖、山形沖が中心となっている。なんと片道20時間である。


さらにまき網で獲れたクロマグロは単価が安い。オレンジのラインはキロ単価である。右に行くほど安くなる。塩竃も境港もまき網である。これを経済乱獲という。限りある資源をまったく有効に利用してない。


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ソースはここ
http://y-sanada.blog.so-net.ne.jp/2017-05-09





次に海外に目を向けてみよう。

これは西部大西洋のクロマグロ。1970年代に資源が急激に減少。近年は確実に回復している。


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これを見ると1970年代に急激に減少したのは日本が原因と言うことがわかる。日本の漁獲が1970年代に急激に増えている。1982年から産卵場であるメキシコ湾を全面禁漁にして、各国の漁獲枠を大幅に削減した。

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これは東部大西洋(地中海含む)のクロマグロ。近年急激に資源が回復している。

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2007年は報告されているだけで22952トンをまき網が地産卵場である中海で獲っていた(未報告も含めるとその2倍くらいあったらしい)
2008年から産卵場の漁獲を厳しく規制。2011年にはまき網を4306トンまで減らした。その結果、2012年ころから資源が急激に回復した。当然、漁獲枠も増えている。


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次にミナミマグロ。これも高級すしネタである。1960年代に急激に資源が減少したが、近年は回復傾向である。

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資源が減少した原因は日本の乱獲であることがよくわかる。1950年代後半から急激に漁獲が増えている。

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このように、世界中のクロマグロ(ミナミマグロ含む)を絶滅近くまで減らしたのは日本なのである。

大西洋と南半球は関係国が本気になって資源が回復した。

ところが日本近海は最悪の状態から抜け出ることができない。

世界には資源回復の成功例がたくさんある。


なのに日本は

なぜ、効果的な資源管理ができないのだ。

なぜ、目の前しかみないのだ。

その場しのぎでは、豊かな海は戻ってこないのだ。



アジアでさえ、近年は厳しい資源管理を始めている。

これは中国(みなと新聞)。昨年7月に上海近郊の寿司屋に入ったが、生鮮がなくて冷凍物ばかりだった。店員に聞くと「禁漁だから」と言われた。


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これはフィリピン。ダバオ湾はキハダの産卵場だそうだ。2015年から産卵期は禁漁となった。

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ソースはここ
http://www.manila-shimbun.com/category/society/news218236.html




昨年のWCPFCの国際会議では太平洋島嶼国からも日本は非難された。

かつては日本はアジアや島嶼国のお手本だった。

それは確実に過去になりつつある。

いい加減に目を覚ませ!

このままでは世界の孤児になるぞ!





次に世界の釣りを紹介。


12歳の女の子である。日本の漁師より大きなマグロを釣っている。


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詳細はここをクリック



411.6キロを釣り上げた女性。日本ではほとんど見られなくなったサイズである。

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詳細はここをクリック

欧米の釣り(スポーツフィッシングという)では電動リールやウインチ、電気ショッカーは使わない。すべて自力である。自力で釣ることに価値があり、そして周りから称賛される。




世界は広い。

我々の知らない世界がいっぱいある。

今の我が国水産業は鎖国状態。

世界の進化についていけない。



日本の水産業は崖っぷちなのだ。

いつまでも先延ばしする余裕なんて全くない。

クロマグロだけではない。

2016年の我が国の水揚げは、この半世紀で最低だった。

さらに、北海道の水揚げは1956年の統計開始以来、初の100万トン割れだった。



政治家も官僚も、そして漁師も目を覚ませ!

漁師は他人の作文など読んでる場合ではないのだ!

全員イエスマンだったら何も変わらないのだ!





さて、毎年恒例のデモが近づいてきました。今年で3回目となります。過去最大のデモになる予定です。

5月25日13:00 日比谷公園霞門前集合 14:30解散予定

思いっきり水産庁に喝を入れ、産卵期に一番乱獲しているニッスイに抗議します。

一緒に歩きたい人は茂木まで連絡をください。

メールアドレス uminchumogi@nifty.com

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