2010/03/17

マグロの国際問題

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最近のメディアや政治家のマグロ、クジラに関する話を聞いていると考えが偏っているとしか受け取れない。というか日本の政治家はレベル低すぎ。政治と金の問題なんて俺が政治に感心を持ち始めた40年くらい昔から討議されているけど、必死に叫んでいるフリしているだけで少しも進展していない。日本の政治家に自浄作用は期待できない。今後も進展しない。鳩山邦夫なんて何回離党すれば気が済むのか(笑)。君なんていなくなっても日本は少しも困らない。

マグロの国際問題だけど、日本人は「マグロが食べられなくなる」とか「マグロが高くなる(特に主婦)」程度しか考えてないようだ。国際取引禁止案が提出されるまでの経緯、シーシェパードやグリンピースがどうしてあのような行動に出るのかなど、そうなった経緯をもう少し考えてみるべきだ。だからと言ってシーシェパードの人命に関わるような過激な行動は決して許されるべきではない。

数年前に境の大きな巻き網会社が負債114億円を抱えて倒産した。ところが境漁港の「このままでは消費者に安いマグロが届けられなくなる」の懇願を受けて国が援助して再生してしまった。この巻き網会社が倒産した理由は「マグロが獲れなくなった」からである。マグロの市場価格は10年以上上がってない。その間に燃料代は高騰している。今後マグロはさらに獲れなくなるだろう。ということはこの会社が再び倒産するのは明白である。

そんなことより、マグロの漁獲規制を早く作ることである。年々減少しているのは境漁港の水揚げを見てもあきらかである。トン数は減っていなくても1匹あたりの平均重量が年々小さくなっている。マグロがさらに減少して獲れなくなったら境漁港はどうするのか?

境港の最近の水揚げ(巻き網)
2009年       864トン
2008年       2200トン 1匹平均37キロ
2007年       1978トン 1匹平均43キロ

1980年代は平均が100キロ以上だった。年々固体は小さくなっている。
このままでは卵を産む親がいなくなる。
1982年       1400トン 1匹平均118キロ

ちなみに2009年から境漁港は1匹平均の重量を公表しなくなった。巻き網に対する反論が強くなることを懸念したのかも。

以下参照
http://coralitem.blog58.fc2.com/blog-entry-643.html

産卵期にマグロは産卵場へ集まる習性がある。それを狙って巻き網が入る。卵を持った親マグロを一網打尽。こんなことをしていたらマグロがいなくなるのは明白だ。

以下参照「産卵期に巻き網で獲られたマグロ」
http://www.greenpeace.or.jp/campaign/oceans/blog/monthlist_html?year=2009&month=7


2008年9月、ブログにこんなことを書いた。読んでない人は是非!
http://uminchumogi.blog111.fc2.com/blog-date-200809.html
アメリカでは各漁法ごとにタックが決められているが、巻き網よりアマチュア釣り師のほうがタックが多い。日本と違ってアメリカやニュージーランドはアマチュア釣り師の地位が高い。ただしレギュレーションは厳しい。俺が乗った船は釣り上げたマグロのほとんどをリリースしている。アメリカでは友人に「キープできるのは1船、1匹」と言われた。5人乗ってもキープできるのは一人だけなのだ。

アメリカ西海岸に回遊した太平洋マグロにアーカイバルタグを埋め込み、その後の回遊経路がわかる。
http://www.topp.org/species/bluefin_tuna

毎年12月から1月にかけてアメリカ西海岸から日本へ向けて動き始めるマグロがいる。そして約半年後の7月ごろ日本に到着する。
アメリカのマグロに関する研究は凄い。ニュージーランドでも毎年アメリカの学者(ジョージ・シリンガー)が来て40本前後のポップアップタグをクロマグロに打っていまる。ちなみにアーカイバルタグもポップアップタグも1本50万円もする。そして漁船や遊漁船がこの調査に積極的に協力している。はたして日本のマグロ漁船は協力するのだろうか?

太平洋クロマグロにアーカイバルタグを埋め込む動画。その後の回遊経路がわかる。船に上げられてタグを打たれてもマグロはほとんど生きている。



食文化というけど、天然物のクロマグロを毎月食べている人は何パーセントくらいいるのか。俺は2ヶ月に1回くらいである。年に5~6回くらいだ。これを食文化と言えるのか?

「漁業と魚食と海の生物多様性を未来に残せるか。ワシントン条約締約国会議で大西洋クロマグロの禁輸を討議」
http://ow.ly/1kN8g

この中で小松さんと佐々木さんの話が面白い。小松さんは食文化に関しても語っている。佐々木さんは俺にたびたび電話してくる。人生をマグロに賭けてしまったような人だ。今ではマグロの保護活動に専念していて本業のマグロ一本釣りは休業中。

築地の仲買人のブログも面白い。天然クロマグロは年々入荷が少なくなっているようだ。

築地の仲買人のブログ
http://blog.goo.ne.jp/matsuisuisan/

遠洋延縄漁船も巻き網漁船の進出で漁獲が激減、延縄も一本釣りと一緒で巻き網漁の被害者なのだ。

この遠洋延縄船はマグロの漁獲が10分の1に減少して地中海から撤退した。減少した原因は巻き網船の乱獲。
「遠洋延縄漁船のブログ」
http://blog.chokyumaru.com/?eid=937082



以下参照
平成21年11月9日から15日まで、ブラジル・レシフェで大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)年次会合が開催されたと発表。
 今回の年次会合では、東大西洋クロマグロ資源の保存管理措置について話し合われ、2009年の総漁獲可能量(TAC)22,000トンから、2010年は13,500トンに削減(4割減)すること、日本の漁獲枠は、1,871トンから1,148トンに削減すること、2011年以降のTACは、科学委員会の資源評価の後、翌年に設定する。なお、科学委員会が資源崩壊の危機(資源の回復が困難な状況)を認めた場合、2011年は漁業を全面停止する。

ちなみに日本でのクロマグロ消費量は 約4.3万トン(2008年)で、世界全体の約8割を占める。日本で消費されるクロマグロの約4割が大西洋産。


ワシントン条約会議に「大西洋クロマグロの国際取引禁止」という案が出された経緯を検証。

ICCAT(大西洋マグロ類保存国際委員会)は毎年の大西洋クロマグロのタック(漁獲制限)を決めているが、多くの国がそれを守らず違反してるのが実情。それならばワシントン条約会議にかけて国際取引禁止にするぞとなったわけだ。違反している国のバックには必ず日本の水産会社が絡んでいる。蓄養マグロの技術指導、蓄養施設の援助も日本の水産会社がやっている。そして違法操業で水揚げされたマグロのほとんどが日本へ出荷されている。ちなみにクロアチアは2008年に6000トンも違法操業して告発されている。クロアチアのバックには日本の大手水産会社がついている。
ちなみにICCATが決めた2010年のタックは13500トン。ピークは2006年の32000トンで年々減少している。そのうえ、2010年は科学調査委員会が大西洋クロマグロの生態調査をする。そこでさらに減少傾向にあることが判明すれば2011年は全面禁漁となる。
問題はこのタックをICCAT加盟国が守るのか、どうかということなのだ。今後も違反操業が続くようなら大西洋マグロは確実に減少していく。20年後は絶滅しているかもしれない。要は各国が守ることができるかどうかなのだ。守らないからワシントン条約会議に国際取引禁止案として出されたわけなのだ。禁輸が決定すれば違反してまでもマグロを獲らないだろうと提案国が考えたからなのだ。獲っても売れないわけだから。ICCATの決定したタックを各国が守っていればワシントン条約会議への提案もなかっただろう。

すでに日本はそれがワシントン条約で決められても従わないと大臣が話している。こうなると日本はさらに孤立するだろう。特に環境保護団体は強く抗議してくるだろう。一番消費して恩恵を受けている国が何もやってないのが現状。獲るだけ獲って保護に関しては目をつぶってるのが日本の現状。
太平洋クロマグロに関してもアメリカは何年も前からタック(漁獲制限)を作るようにと日本に要請している。ところが日本は無視し続けていた。ようやく昨年の12月に小型マグロに限りタックを作った。ところがその管理が甘い。当面は巻き網業界の自主規制として実施する方針だとか、こんな甘いやり方ではタックは無いのも同然。

巻き返せるかマグロ禁輸案
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/36804.html

クロマグロ規制
http://www.chugoku-np.co.jp/Syasetu/Sh201003140114.html

それなのに何の対策も取ろうとしない日本。国際取引禁止に必死に反対する日本。まずは自国のマグロをちゃんと管理することからやらないと世界からますます相手にされなくなる。一番消費している国なのだからやる義務があるのだ。

太平洋クロマグロの産卵海域はフィリピン北方海域から本州西方海域まで。そして成長後、多くの固体がアメリカ西海岸まで回遊する。そこで数年間成長した後に再び太平洋北西海域に戻ってきて繁殖行為を繰り返す。その後、ニュージーランドやオーストラリアまで回遊することも調査の結果明らかになっている。ようするに太平洋クロマグロは日本だけの魚ではなく、太平洋沿岸諸国の魚なのだ。保護するためには各国が協力し合わなければならない。なのに調査はほとんどアメリカに任せて、日本はほとんど調査もせず獲って食べるだけというのが実情。

まず国内の巻き網を規制すべき。そして太平洋クロマグロのタック(漁獲制限)を早急に決めるべき。

それとこれからはクロマグロの完全養殖にさらに力を入れるべき。クロマグロの養殖に関しては国も数年前に取り組んだけど、難しいということで3年で撤退している。しかし近畿大学の水産研究所は完全養殖に成功した。この完全養殖が軌道に乗れば自然界のクロマグロを獲る必要も少なくなる。牧場で飼育されている牛や豚と同じようになるわけだ。クジラの問題でやっきに日本を攻めている方々も牧場の牛や豚を食べることに関しては何も反対しない。要するに自然界の生き物と人工的に飼育された生き物は別の生き物扱いなのだ。

近大の完全養殖マグロ、過去最大の出荷数に
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20091024-OYT1T00711.htm

クロマグロ完全養殖の道
http://www.ecp.kindai.ac.jp/press/435/learning/kumai.htm




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鯨だってほとんどの日本人が食べていない。調査捕鯨で捕獲された毎年1000頭にものぼる鯨は買い手が減り、冷凍庫にたくさん眠っている。売り値も年々安くなっているのが現状。さらに調査捕鯨関係者(公務員)のクジラ肉横領の疑いも出ている(現在裁判審議中)。

それと調査捕鯨ってなんなのか?鯨の生態調査なら毎年1000頭も殺さなくてもできるのでは。俺には販売を目的としか考えられない。そして利権、天下り、横領・・・

調査捕鯨トライアングル
http://www.greenpeace.or.jp/campaign/oceans/whale/t2/whalecircle_html
利権、天下り、横領など、調査捕鯨に関しては疑わしいことだらけ。

商業捕鯨の再開にGOサインがでたからといって、即再開できるような状況には日本にはない。捕鯨禁止になる前の捕鯨漁船のほとんどが廃船になっているし、沖に行って捕鯨に即従事できる人も今では数少なくなってきている。再開だからといって、すぐに船を建造できるものでもない。

クジラを食すのは日本の食文化だという人がいるけど、調査結果では一人0.1グラムしか食べてない。魚介類の800分の1、豚肉の300分の1だ。これで食文化と言えるのか?まして調査捕鯨で捕獲されたマグロは売れずに冷凍庫に大量に眠っている。この冷凍施設も電気代も税金が使われてる。

クジラは一人0.1グラム
http://blogs.yahoo.co.jp/zenshinjuku/10506870.html

鯨の年間捕獲数と消費量
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2705226/5439715

在庫が過去最高に
http://www.greenpeace.or.jp/press/releases/pr20091211oc_html

商業捕鯨がたとえ再開されても誰が食べるのか?
今の子供たちが大人になったとき、食べる人は激減していると思うのだが。商業捕鯨が再開されてもクジラ肉が売れなければ、捕獲も自然に減っていくとは思うが。そんなことにはたして企業が動くのかも疑問。


10年後、20年後を見据えた政策を日本国には期待できないのか。





ぎょねっとさんです。今回は釣りとはほとんど関係ありませんが。
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