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2010/05/18

GTゲームの歴史と未来

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GTのキャスティングゲームはいつごろから始まったのか?
俺が初めて知ったのは1983年の何月号だか忘れたがフィッシングという雑誌で知った。その中に「丸橋英三氏が16ポンドライン(ナイロン4号)で35キロのGTをクリスマス島で釣った」という内容のバリバスの広告だった。当時としては大記録で日本中が驚いたニュースだった。当時はまだPEラインは誰も使っていなかった。ナイロンの16ポンド、20ポンドが主流だった。俺は当時磯釣り師で沖縄に住んでいた。連日のように磯の上に立ち、30キロオーバーの大物(ガーラ、アーラミーバイ、トカキン)を狙っていた。ラインはナイロンの100から200号、ハリスはワイヤーでリールはペンのセネター12/0と9/0だった。ロッドはダイワやがまかつのクエ竿を改良して使っていた。そんなときに飛び込んできたナイロン4号でのニュースは正直言って信じられなかった。

日本のGTゲームはその数年前から始まっていたらしい。パラオやクリスマス島、ケアンズあたりが人気スポットだったと思う。そして日本国内では1988年ごろから鈴木文雄氏が石垣島に移り住み国内GTフィッシングの普及に大きく貢献した。その後、宮古島、沖縄本島近海、奄美大島と南から北へと広がっていった。今ではトカラや奄美、種子島などGTの北限とされている海域の人気が高い。昔から言われているが生息域の北限と南限に大型のGTがいるという説はほぼ当たっていると思う。

ここ数年、日本人のGTゲームは一段落しているように見受けられる。海外まで遠征する人に限れば減少傾向にあるだろう。特にオーストラリアに行く人は激減した。10年くらい前まではケアンズに行く人はかなりの数だったが、最近はパッタリと行かなくなった。原因はオーストラリアドルが高くなったことが一番にあげられる。そのうえここ数年オーストラリアはバブルで船代が大幅に値上げされた。8年前、1ドルが60円台の時代に船代が1700ドルだった船が今は3500ドルに上がり、しかも1ドルは80円台後半である。一時は1ドル108円まで上がった。10万円でチャーターできた船が35万円以上になったわけである。最近は日本が割安に感じられて、オーストラリアから日本への観光客が増えている。

GTゲームはフランスやアメリカ、オーストラリアでは人気が上昇している。海外の有名スポットを訪れるとフランスやアメリカ、そして最近はロシアからのGTアングラーが多く訪れていることに気付く。今回のNOMADは世界中のGTアングラー憧れの船だが、日本から訪れる人はほとんどいないらしい。多いのはフランス人とアメリカ人という答えだった。俺自身は今回が6回目だが、初めて乗った8年前とは船も装備もレギュレーション(保護への取り組み)も大きく変わっていた。
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釣りに関して白人圏(特に西欧と北米)はまず生態の調査から始まる。絶滅のおそれのある種、生息数の激減している種などは保護の対象となり釣り禁止となる。他、生息数は安定していても乱獲を防ぐためにサイズリミット(長さ制限)、バッグリミット(匹数制限)などが設定されている。違反すると多額の罰金、ライセンスの没収(船を没収する国もある)など厳しい処置が取られる。ニュージーランドはヒラマサのキープは一人一匹まで、そして75センチ以下はリリースしなければならない。マダイ、ハタ類、マグロ類などほとんどの魚種にレギュレーションが決められている。

先日行ったところはグレートバリアリーフの一部「ブガッティ・リーフ」というところだ。まずシドニーに入り、国内線でハミルトン島に飛び、そこから水上飛行機でブガッティ・リーフに向かった。グレートバリアリーフは世界最大のサンゴ礁で、その長さは南北2000キロに及ぶ。とてつもない広さでそこに生息する魚は無尽蔵といえるくらい多い。ところがこんなにたくさんの魚がいるところでも生態保護のためのレギュレーションがいくつも設けられている。
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まずグレートバリアリーフには多くの釣り禁止区域(釣り以外の漁法も)がある。

以下はPDFファイルでかなり重いが是非見ていただきたい。

グレートバリアリーフ・ゾーニングマップ(Zoning Maps)
http://www.gbrmpa.gov.au/corp_site/management/zoning/zoning_maps.html

MPZ11の中にブガッティーリーフはある。
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ブガッティ・リーフはこの地図の中にある(真ん中の部分)
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http://www.gbrmpa.gov.au/__data/assets/pdf_file/0004/8275/mpz_11.pdf

禁止事項
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一昨年行ったジュエルリーフはMPZ5の中(北側)にある。
http://www.gbrmpa.gov.au/__data/assets/pdf_file/0018/8271/mpz_05.pdf
リザードアイランド周辺は釣り禁止。


このように多くの海域が釣り、漁業禁止となっている。保護海域を設けることで、釣り可能な海域の魚も増えているという報告もある。グレートバリアリーフは多くの環礁が連なってできている。そのため環礁から環礁へと魚の回遊が可能なのである。これが外洋の独立した環礁となるとGTやハタなどは移動することができないので、一度乱獲されるとなかなか復元できない。

現在、南太平洋の多くの国で海洋保護区が設けられている。その成果は地元住民の協力が得られたところでは確実に出てきているが、しっかりと管理ができていない地域ではその成果はほとんど出ていない。保護区がちゃんと機能すれば周辺の保護区以外の海域でも水産資源が増えることがほぼ証明されている。

クロマグロに関しても日本近海の資源量は確実に減っている。玄界灘の七里ケ曽根を見る限り5年後にはクロマグロは消えるのではと思えるくらい減っている。この減少を止めるためには1.産卵期を禁漁にする。2.クロマグロ保護区を設ける。3.巻き網の漁獲制限を設ける。この3つを実行すれば間違いなく減少は止まり、数年後には資源は増加に転じるだろう。増加すれば漁業関係者も喜べるはずだが・・・日本人はこんなわかりきっていることも実行できない民族なのだ。

ヒラマサやマグロのリリース後の生存率が高いことはタグ&リリースなどですでに証明されている。しかしシイラとGTの生存率はかなり低いようだ。数年前だがJGFA関係者に「シイラのタグ&リリースで翌年以降の再捕はないんだよね」と聞かされた。おそらくその時点で1万匹以上タグを打ってリリースしていたと思う。ところが数週間、1~2か月後の再捕はあっても翌年以降の再捕はないらしい。どこか遠くに回遊して戻ってこないのか?それともすべて死んでしまったか?それとも弱っていたところをサメやマグロなどの大型魚に食べられてしまったのか?
GTも多くの個体がタグ&リリースされているが翌年以降の再捕はメッキなどの幼魚を除いて聞いたことがない。
知り合いに水族館の関係者がいるがヒラマサやマグロは環境の変化に強く、また病気にもなりにくいが、シイラとGTは飼育が難しいと言っていた。またどんな魚も鰓が傷つくと致命傷となる。

オーストラリアのNOMADではシングルフックを推奨している。理由はトレブルフックに比べて魚へのダメージが少ないかららしい。確かにトレブルは鰓に掛かったり、胸鰭やお腹、目の近くに刺さることが多い。フックで傷だらけになって上がってくることが多いのは事実である。
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最近GTがパッタリと釣れなくなったところは世界中いたることろにある。先日もシンガポール人が言っていた「コモドはもう釣れない」と。

釣れなくなると新しいポイントを探すという方法はいずれ終わりを迎える。海は無限ではないからだ。

そろそろ今のGTポイントをいかにして守っていくかを真剣に考えなければならない。

シングルフックの使用、匹数制限(リリース魚も匹数に入れる)、ランディングとリリース方法(ネットの網を柔らかい素材にする、乾いたタオルや手袋で触らない、船べりリリースなど)

昨年行ったニカラグアではターポンのすべてを船べりリリースだった。そのためアングラーが抱えた写真は一枚もない。このままではGTもそんな時代が来るかもしれない。
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