2010/06/27

巨大キハダマグロ連発@パナマ前編

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パナマからメキシコにかけての太平洋側は昔から巨大なキハダマグロが釣れることで有名だ。ロスアンゼルスやサンディエゴから出港するロングレンジの船もバハカリフォルニア沖から遠くはクリッパートン島まで目指す。俺も2000年の9月にサンディエゴからバハ沖へ48フィートのクルーザーをチャーターして4泊5日の釣りを経験したことがある。結果はキメジの入れ食いで終わった。あらかじめの情報不足、知識不足、そして現地のいいかげんなコーディネーターにまんまと乗せられたような釣行だった。

日本国内にもキハダが釣れるところはあちこちにあるが100キロオーバーが釣れたという話は聞いたことがない。

バハ以来いつか巨大なキハダを釣ってみたいと思っていたが、ロングレンジの乗合船は乗りたくないし、かといってそんな大型船をチャーターとなるとバカ高くて少人数では無理だ。

実現できないまま何年も過ぎた。そして昨年の秋にサミーからパナマの話を聞いた。キハダは大きい。船はMAXで4名。ロッジは素晴らしいという内容だった。せっかく来るなら帰りにマサチューセッツのクロマグロもやったらどうかというので、それもやることにした。

ところが出発1か月前の種子島遠征から咳が出るようになった。日に日に悪化して、宮古島遠征、トカラ遠征で最悪となり痰も多くなり何度も食べた物を吐いてしまうほどだった。なんとかパナマ出発までには治したいので宮古ではほとんど釣りはせず、そのあとのトカラでは1回もルアーを投げなかった。

病院も2か所行き、薬も合計7種類も飲んだが、いっこうに良くならない。そのままパナマ出発となった。周りに聞くと数名が春から初夏にかけて同じような症状を経験したということだった。原因は黄砂という話も聞いた。また中国が急激な経済発展をした結果、工場などから出る大量の煙という話も。最近このような症状の人が増えてるそうだから中国説は案外当たっているかもしれない。いずれにせよ地球の空気がどんどん汚染されてるのは間違いないだろう。


今回の同行はび~るだ~さんと屑弁大先生(笑)、6月20日に成田を出発した。

ニューヨークJFK空港で出迎えに来たサミーの車に乗って、彼が経営する釣具屋に行った。その店はソルトのジギングとキャスティングがメインで、商品の8割以上が日本製だった。
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ロッドはMCワークスが人気らしい。日本と同じである。
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ソウルズと猛闘犬丸がサミーは大好きだ。
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ポールは今年メロン屋のルアーで200ポンドのクロマグロを釣ったそうだ。
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ブラックマジックのハーネスが大人気らしい。
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右サミー、左ポール。
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必要な物を購入した後、近くの寿司レストランで昼食を取りパナマ行の飛行機が発着するニューアーク・リバティ空港に向かった。荷物の制限が厳しく一時は全員が超過料金50ドルを払うところだったが、コパ空港がコンチネンタル航空の子会社だとわかり、俺のスターアライアンス・ゴールドカードが役にたって超過料金は払わずに済んだ。ちなみに昨年は成田からニューヨーク間でロッドケースが長いという理由で超過料金を取られた。ところが今年も同じJALを使ったが取られなかった。理由はわからずじまいだが・・・エア・カナダも昨年の7月は取られたが12月は取られなかった。一時は厳しくなった手荷物だが、最近はまた緩くなってるようである。

パナマまでのフライト時間は5時間とちょっとだった。入国審査を済ませ、税関を無事に通り抜けて、出迎えのワンボックスに乗った。そこからパラダイスフィッシングロッジまでかなり飛ばして5時間だった。着いたのは深夜の3時過ぎ。シャワーを浴びてタックルをセットしてすぐに寝た。起床は6時である。

深夜に到着。これは俺が泊まった部屋。
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ドアを叩く音で起こされて、朝食を取り、7時にはロッジを出発した。ボートの待機する桟橋まで2~3キロの距離だ。
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ロッジ所有のボートは5~6艇あるようだ。28フィートの船体に250馬力の船外機が2基だった。すぐにタックルを積み込んで出港。25~32ノットのスピードで進むのだが、あいにくの向かい波で船はバンバンと跳ねた。ポイントまでは2時間半から3時間。落ちないように船にずっとしがみついていたので着いたころにはヘロヘロだった。
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どのポイントにも必ずイルカが群れていた。そのイルカに混じって巨大なキハダがいるらしい。キメジやカツオのナブラ目がけてキャスティングするとキメジサイズは入れ食いだった。

俺は最初は肩慣らしにとガンマ60を投げていた。数匹のキメジを釣ってしばらく観戦しているとイルカの群れが慌ただしくなったのでロッドをBLC83/40(プロト)、そしてルアーはガンマ160を付けてイルカ目がけてキャストした。すると大きなキハダが全身を飛び出してルアーに襲いかかってきた。しかし空振り。さらに2回目も空振り、3回目も空振り、4回目のバイトでしっかりとフッキングした。
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そのあとのファイトは1匹目ということで慎重にやった。ドラグは8キロくらいで7~8分ほどやって、少し締め込んで3分ほどやって、さらに締め込んで2分ほどでキハダにギャフが打たれた。サイズは船長推定120ポンド(55キロ)だった。最初の8キロのドラグでは船の真下に寄ってきても大きく円を描いて泳いでいるだけで全然浮いて来なかった。ルアーが顔の横に掛かっていたこともあり、魚は常に頭をやや下方に向けて泳いでいた。これが口先に掛かっていればすんなり浮いて来たのであろうが。最終的にドラグは10キロくらいだった。このサイズで口先にフックが掛かっていればドラグは8キロで充分だろう。しかし倍のサイズになるとドラグも倍にしないとなかなか浮いて来ない。15分でキャッチするならマグロが50キロだとドラグ8キロ、100キロなら16キロ、200キロなら32キロという計算になる。しかし20キロのドラグで15分以上ロッド(長さ8フィート以上)を立ててマグロのパワーに耐えられるアングラーはほとんどいない。常識的に考えて15キロが限界だろう。そうなると100キロのマグロは15~20分であげられても200キロのマグロは3時間以上かかるだろう。また単にドラグだけで計算は成り立たない。経験、運(掛かりどころ、リーダーが尻尾に絡むなど)、場所(水深、潮流)、水温、時間帯(朝、日中、夜間)もファイティングタイムに大きく影響する。
※漁師さんは22~23キロのドラグで200キロのマグロを40分から1時間で浮かせる。ただし最後は電気ショッカーを使うので、ギャフやモリで取りこむとなると時間はさらに長引くだろう。ニュージーランドで20匹の200キロオーバーをキャッチしたデータを参考にしても200キロなら25キロのドラグで1時間前後と推定される(昼の場合)。
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55キロを13分前後でキャッチしたが、いつものようにドラグを最終的に15キロ以上に上げたなら3分くらいでキャッチできたと思う。実際に2分くらいで船の真下に魚はいた。1匹目なのでフックアウトを警戒してそこからドラグをほとんど上げなかった。2匹目はばらしてもいいという気持ちもあるので強引にやるのだが、今回は体調を考えて1匹で終了した。


その後、別なポイントで大型が釣れたという情報が入ったので移動となった。

我々はキャスティングで狙いたかったがキャプテンはカツオを釣ってトローリングを開始した。生き餌なので超スローで引っ張った。俺とサミーはトローリングは基本的にやらないので屑弁にブラックマジック社のロッドベルトを装着して待機させた。

しばらくして船が止まった。リールをフリーにして相手の様子を伺う。イルカなら止まるのだが、マグロなら止まらずに持って行くらしい。その相手は止まらなかった。何秒かフリーにしてラインを送り込み、しっかりと餌を飲み込んだころを見計らってリールをストライクポジションにしてボートを一気に前進させた。ロッドが大きく曲がりドラグ音がけたたましく鳴った。フッキング成功である。屑弁にロッドを渡してファイトが始まった。最初はハーネス無しでファイトをしたが、10分くらいでハーネスを装着。その2分後にキハダは浮上してギャフを打たれた。120ポンドのキハダマグロだった。
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その数分あとに今度はダブルヒットとなった。1本はサミーが持ってすぐにファイトを開始したが、もう1本は誰も持とうとしなかった。俺「び~るだ~さん早く!」び~るだ~さん「そんな大きな相手嫌です」と(笑)。

仕方なく俺が持ってやることになった。魚が止まった。さあ反撃開始とポンピングを始めたが、ロッドがくるっとひねられた。トローリングロッドはリールもガイドも上にあるので、下方向に引っ張られてロッドが180度反転してしまう。スピニングならリールもガイドも下にあるのでひねられることはないのだが。そのためにトローリングロッドはバットエンドがギンバルになっている。ロッドベルトもピンの入ったギンバル仕様を使う。それでロッドの回転を防いでいるのだ。ところが俺のロッドベルト(カーペンター製)はギンバル仕様ではないのでポンピングのたびにくるっと回ってしまう。そのため強く握っていなければならない。とにかくファイトはやりずらかった。その上、2段ギアであることを知らず、ずっとハイギアでファイトしていた。初めて使うタックルなので使い方もわからない。しかもライン強度もわからない。しかも素手なのでロッドがすべってすべってやりづらい。10分後くらいに手袋をはめたら急にやりやすくなった。
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そんな不利なファイトだったがサミーに負けずとファイトを続けた。サミーのロッドベルトはギンバル仕様だった。すんなりとサミーが先に魚を浮かせた。悔しいけど、どうにもならなかった。二人とも最後までハーネスは付けなかった。
フックはサークルフック(眠り針)を使っているのですべて口元に掛っていた。
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サミーは113キロを11分。俺は100キロを13分でキャッチした。ドラグは手で引っ張って18キロ前後だった。俺のファイトはあとでビデオで確認したが、下手くそ過ぎてかっこ悪くて見られたものじゃなかった(だから誰にも見せません)。
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負け惜しみになるけど、自分のタックルだったら5分で上げられたと思っている。実際3分後には目の前で魚は1回姿を水面に出している。フックの掛かりどころは二人とも口元だった。

今まで一緒にファイトしてファイティングタイムで負けたことは一度もない。初めての敗北だった。サミーはこの1年で70キロオーバーのクロマグロを15匹も釣っている。最大は102キロである。世界のトップレベルにいるアングラーの一人だと思う。
※102キロは最終ドラグ19キロでファイティングタイムは22分だったそうだ。

世界のレベルを少し感じた1日だった。


このあと記念撮影となったが、撮影中に中指がおかしくなっていることに気付いた。しばらくすると激痛に。
そのため2日目、3日目、4日目は釣りはお休みして撮影班やってました。咳に痰に中指にと最悪です。


後編はび~るだ~さんの奇跡です。世界に誇れる快挙です。ご期待ください。