2010/07/21

東伊豆沖のマグロ

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これはあくまでも茂木個人の今日現在の見解です。いろんな意見があると思います。また俺自身、まだまだわかっていません。今後も多くの人の意見を聞いて勉強をしていきます。

6月中旬ごろから東伊豆沖でマグロが釣れ続いているらしい。東伊豆沖?どこなんだろうと調べたら伊豆大島近海とわかった。

ちなみに俺は大島近海へは一度も行ったことがない。


今年の4月2日に大島町役場産業課より大島周辺漁場での協定が発令された。

大島周辺漁場で船釣りをされる皆様へ

  大島周辺海域における漁業と遊漁のトラブル防止と、相互の円滑な操業秩序の確立、及び資源の適切な保存・管理を推進していくことを目的に、関係者により、船釣りに関する海面利用協定が締結されています。
  大島周辺漁場で船釣りをされる方は、本協定の趣旨をご理解いただき、下記チラシの内容を遵守されますようご協力を願います。
http://www.town.oshima.tokyo.jp/information/20100402002.pdf

これによると第3条の3項にこのようなことが書かれている。

3. 遊漁者遵守事項
  3 千波崎を中心に半径2,000m以内の海域において、4月1日から9月30日まで操業禁止


この協定が発令されるまでは大島近海に釣り船が近づくことはほとんどなかったらしい。

それが大島側の大幅な譲歩(だと思います)で釣り船が2キロ圏まで近づくことができるようになった。そこはもともとマグロなどが多く回遊してくる海域だった。過去には釣り船が島に近づいたことが原因で地元の漁師さんとトラブルが頻繁に起きていたそうだ。

島によっては近づいても大丈夫なところもある。GTなどはトカラ、薩南、慶良間、八重山など他の島から釣りに来ても地元の漁師さんとトラブルが起きることはまずない。ところが市場価格がはるかに高くなるクロマグロとなると日本全国どこでもトラブルが絶えない。また巻き網など漁業関係者の違反操業、密漁も多い。お金になるがために起きてしまうのだ。

日本は古来から漁業が盛んな国である。そのため海面利用に関して伝統的に漁師さんが強い。釣り船、釣り人は専業漁師さんの迷惑にならないように釣りをすることが当たり前のようになっている。俺も10年以上前に何度か秋田の能代から出て久六島へマグロを釣りに行ったことがある。ところがそこは専業漁師さんの完全な縄張りみたいなところだった。我々のすぐ側でナブラが沸いたので近づいてキャストしようとすると、はるか遠くにいた漁船が近づいてきて我々の釣りの妨害をした。漁師「あんたらは遊びだろ。こっちは生活が掛かっているんだ。邪魔はしねえでくれ」と怒鳴られた。我々の船長さんはただひたすら謝っているだけだった。我々は神奈川から8時間もかけて車で来ている。日ごろのストレス発散にマグロ釣りに来ているのだが、このように来るたびにストレスをさらに抱えて帰ることが多かった。やがてパッタリと行かなくなった。

海外(アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド等)へ行くと日本とは大きく違うことに気が付く。まずマグロを狙った漁船がほとんどいない。いたとしてもいっさい妨害はされない。そしてマグロはたくさん釣れる。ただしレギュレーションは厳しい。キープできるのは船中1匹、もしくは叉長183センチ以上で一人一匹とか、いろいろと決められていて厳しく管理されている。違反すると多額の罰金、ライセンスの没収、さらに船を没収する国もある。それは遊魚にもプレジャーにも漁船にも適用される。海面をプロ、アマ問わず平等に利用するようになっている。俺自身、何度もニュージーランドやアメリカ、オーストラリアで釣りをしているが漁師に妨害を受けたことは一度も無い。また釣り(漁業も含む)禁止区域はあっても、専業の漁師が優先されるような区域はない。国民のレジャー、スポーツとして釣りの地位が日本に比べてはるかに高い。そこには遊ぶということが国民にとって大切な時間であるという認識がある。日本人はまだまだ遊ぶということに対して「よくない」という意識がある。久六島の話に戻ればアメリカやニュージーランドでは釣り人側が漁師に対して堂々と「俺たちの遊び(釣り)の邪魔をしねえでくれ」と権利を主張できるのだ。

海の資源に関しても、ほとんどの先進国は資源管理が徹底している。まず科学調査が入り、魚種ごとの資源を調べる。そしてキープしてよいサイズ、キープしてよい匹数が決められる。絶滅の危機がある魚種は釣り、漁、すべて禁止となる。

ちなみにアメリカのクロマグロのタック(2008年)は以下となる。
※タックとは漁獲制限のこと
漁師(一本釣り)740トン
アマチュア(釣り人)309トン
巻き網292トン
つきん棒61トン
延縄56トン
合計1668トン
予備207トン

これは年々厳しくなっているので2010年はさらに少ないと思われる。また漁師さんが捕獲したマグロのほとんどは日本へ送られる。

アマチュアに309トンも枠があるのが日本と違うところだ。アメリカ、豪州、ニュージーランドなどはレジャーとしての釣りの地位が高い。単純に計算して30キロ平均で1万匹である。小さいマグロはキープできないので、アベレージはもっと大きいだろう。

話は戻るが、大島町が大幅に譲歩したことは海面を独占することで島のイメージが悪くなることを避けたためかもしれない。時代は確実に変化している。いつまでも海は漁師さんのものという考えは続かないだろう。

ところがせっかく大島側が譲歩したのに、それを守れない釣り船、プレジャーが後を絶たないと聞く。半径2キロ圏内の内側まで入ってしまうらしい。マグロは魔物である。大きなマグロが跳ねるのを目の前にすれば釣り人、船長も大興奮してしまう。我先にとポイントへ入って、海面も船上も無法地帯のようになってしまう。でも冷静に対処しないと、せっかくの釣り場が再び禁止区域になってしまうかもしれない。違反してまでマグロを釣るようなことは避けなければならない。

また近海で釣れ始まると、必ず経験の浅いアングラーが多くなる。マグロのパワーがどんなものか知らずに挑んでしまうのだ。当然タックルは貧弱。そして大物を釣るための心構えもできてない。テクニックも無ければ基礎体力も無い。交代は当たり前、そしてせっかくヒットさせても獲れないことが多い。

50キロオーバーのマグロはなめてかかって取れるサイズではない。完璧なタックル、そして経験豊富な人のアドバイスは絶対に必要である。釣具屋も選んだほうが良いだろう。そのような大物に対してちゃんとした理論を持っている釣具屋、そして経験豊富な釣り人から習うべきである。7月上旬に7●キロのキハダが釣れてニュースとなったが、後日同船者から3人で交代と聞いて愕然とした。そのようなファイトで釣った魚を賞賛するような書き込みはやめていただきたい。

交代は俺は絶対に認めない。海の資源は確実に減っている。この100年で90パーセント減少したとも言われている。そして大型魚はさらに激減した。一生に一度のサイズに気軽な気持ちで挑んでもらいたくない。大型魚とファイトして打ち勝つ努力をしてもらいたい。相手は命をかけて戦っているのだ。それを簡単に他人に竿を譲るような人はマグロに挑んでもらいたくない。

また最大で400キロ以上になるクロマグロをメジという幼魚のうちに数釣りするのもやめていただきたい。海外(先進国)ならレギュレーションがあるので5キロ未満のマグロをキープすることはありえないのだが、日本では1キロにも満たないマグロさえも毎年大量にキープされている。これでは産卵期に産卵海域に入る巻き網船団と何も変わらないのではないか。海洋資源の未来を真剣に考えなければいけない時代である。幼魚もしくは産卵前のマグロを大量殺戮していてはいずれマグロは絶滅するだろう。ブリにしてもヒラマサにしても同じことがいえる。ワカシ、イナダ(関西ではヤズ、ハマチ)を大量にキープするのは問題である。

俺自身はマグロは1日1匹と決めている。だがその1匹もなかなか釣れない(苦笑)

今回は苦言が多い。でも言わずにはいられませんでした。



以下の写真は最後まで一人で頑張って上げたマグロです。

滝上さん42キロと吉村さん32キロのクロマグロ
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佐野(ヒロム)さんとクロマグロ47キロ
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ロッド:CBONE 82TUNAプロト
リール:ステラ18000HG
ライン:YGKよつあみ キャストマン6号
リーダー:YGKよつあみ キャストマンアブソーバー 130LB
ルアー:CBONEプロト

林さんとクロマグロ40キロ
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ロッド:CBONE VF79プロト
リール:ステラ 10000XG
ライン:YGKよつあみ キャストマン6号
リーダー:YGKよつあみ キャストマンアブソーバー 100LB+170LB
ルアー:CBONEプロト

佐野(昌哉)さんとキハダ50キロ
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ロッド:カーペンターDJ83ML
リール:ステラSW18000HG
ライン:PE6号
リーダー:130ポンド
ルアー:カーペンター・ライブリーサーディン
ファイティングタイム:20分

滝上さんとクロマグロ60キロ
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ロッド:MCworks' SM825CR
リール:08ステラSW18000HG
ライン:ウルトラキャストマンX8・6号
リーダー:キャストマンアブソーバー130Lb+マンユウ60号
ルアー:SOULS HIBIKI
ファイティングタイム:35分


唐田さんとクロマグロ76.1キロ
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ロッド:MCworks' SM887CR
リール:01ステラSW10000HG(スプールは20000)
ライン:PE6号
リーダー:130Lb
ルアー:カーペンターBC-γ90
ファイティングタイム:1時間