2010/08/19

4年連続挑んだ巨大クロマグロ総集編1

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きっかけは2006年の8月に当時カスケードのキャプテンだったチャーリーが俺の店に来たことだった。その数日前に青森の竜飛沖で30キロから81.9キロまで8匹釣った。その写真をチャーリーに見せると「ベイビー」と言われた。そして店内にあるパソコンでカスケードのサイトに繋いだ。そこには270キロ、230キロ、210キロの巨大なマグロが3匹並んでアップされていた。場所はニュージーランド南島のグレイマウス沖だそうだ。俺は1秒と迷わず「来年行く!」と叫んだ。

さて予約を入れたまではいいが、タックル、釣り方など何も聞かなかった(爆)。船は10日間予約(前半組5日、後半組5日)した。なんと1日4800ドルである。そんなに高い理由は24時間釣りができるからだそうだ。1時間200ドルなので24時間で4800ドルとなる。それは4年後には1時間225ドル、1日5400ドルまで値上げした。これに一人一日40ドルの食事代が加算される。食事は正直に言って日本人には合わない。オーストラリアのノマードなら日本人向けの料理を出してくれるが、ここはそこまでやってくれない。自分たちで食材を買い込んで船内で料理するしかない。

出発の直前まで試行錯誤しながら準備をした。とりあえずラインはPE10号を800メートル巻いた。リールはティアグラの50Wである。ロッドはカーペンターのBB52B(スパイラルガイド)を用意した。PEラインは一瞬の衝撃に弱いのでショックアブソーバーとしてナイロンの200ポンドを25メートル先端に繋いだ。その先はクランキングリーダー400ポンドである。フックはがまかつのサークルフック(今は製造してないらしい)12/0である。

結果は現地に着いてクルーに俺のタックルは使えないと言われた。ドラグは22キロ以上必要だそうだ。ノーマルの50Wだと15キロくらいしか上げられない。同行の者は50WのLRSを持参してきた。これはティアグラの80とドラグMAXが同じで22キロまで上げることができる(カタログ上は18キロ)。同行の一人はケンマツ50Sを与那国の船長から借りてきていた。これはファイト中にレバードラグを調整できて最大で30キロくらいまで上げることができる。ラインもPE10号が1000メートル余裕で入る。

釣りの順番はジャンケンで決めた。1番はケンマツを持参した豪だった。ロッドはカーペンターのBB52XBである。グレイマウスを出港して5時間くらいでポイントに到着。仕掛けを投入するとすぐにヒットした。45分のファイトで上がってきたのは南マグロの142キロだった。当時、全員が初めて見る100キロオーバーのマグロなのでとんでもなく大きく見えた。船上の興奮はしばらく続いた。
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しかしそれからヒットはパッタリと無かった。6人のうちファイトできたのは豪だけで、他の5人はファイトもせず終了した。
ニュージーランド南島の巨大クロマグロ前半組
http://grouperboys.web.fc2.com/07report_a/0708grey_1/grey_a.htm


続いて後半組が挑んだ。タックルは船の装備品を使った。リールはティアグラ80、ラインはナイロン80ポンド、リーダーはナイロン600ポンドだった。ビックリしたのは80ポンドラインなのにドラグを22キロにセットしていた。ちょっと無理なんじゃないかなと思った。案の定プチプチ切れた。あまりに切れるので俺は怒りの頂点に達してクルーに新品のラインに巻き替えさせた。でも新品も80ポンドなのでプチプチ切れた。そんなラインブレイクの連続だったが一人が182キロをキャッチした。今思えば小さいからブレイクしないでキャッチできたのだろう。
ニュージーランド南島の巨大クロマグロ後半組
http://grouperboys.web.fc2.com/07report_a/0708grey_2/grey_a.htm

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1年目はそんなわけで142キロと182キロの2匹で終了した。それでも日本ではビッグニュースだった。スタンドアップで22キロのドラグなんて日本では当時誰もやっていなかったのだから。このことに関しては日本のマグロ釣りの第一人者S氏から直接電話をいただき、我々の釣り方を説明したが信じてもらえなかった。S氏はドラグ22キロでスタンドアップは人間には無理と断言した。では一緒に行きませんかと言うと「君たちの釣り方には興味がない」と言われる始末だった。


2年目は14日間チャーター(前半7日、後半7日)した。悪天候で釣りができない日が多いので日数を増やした。タックルは1年目の反省からケンマツ50を2台新たに購入した。ティアグラはすべてLRS仕様にした。リーダーがナイロンだと食いが悪いのでフロロの150号を持参した。

持参のタックルを使い前半組は9匹もキャッチした。ドラグは最大で25キロまで上げたがアングラーはまだまだ余裕があった。余裕のある者は最後のランディング時はリーダーを掴んで走りを止めていた。後半組は天候に恵まれず1匹で終了した。でも合計10匹(7匹リリース)という1年目に比べて大躍進の2年目だった。最大は船長推定300キロ、最長のファイティングタイムは4時間45分だった。※推定重量は尾叉長と胴周りを計測して電卓で計算して出す。過去のデータが基本となるようだ。
スタンディングで巨大クロマグロに挑む!
http://grouperboys.web.fc2.com/news08b/bigtuna.htm

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3年目になるとスタンドアップでの釣りはほぼ確立されたと思ったので全員がキャッチした後に俺はスピニングでハーネス無しで挑んだ。結果は1回目のチャレンジは13分でラインブレイク(ラインがランディングデッキの手すりに触れた瞬間切れた)。そのときの最終ドラグは25キロのバネ秤を振り切ってしまい計測不能だった。スプールはドラグが強いためにラインローラー側にゆがみ回転枠に接触していた。終了後にスプールを確認すると表面の塗装が剥がれていた。
スピニングで挑んだ巨大マグロ
http://uminchumogi.blog111.fc2.com/blog-date-20090811.html

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2回目は後半組のときに、これも全員がキャッチした後に挑んだ。ドラグを1回目より弱く設定した。結果は2時間45分でタグ&リリース成功、重さは船長推定250キロだった。※船上は1匹しかキープできないので2匹目以降はリリースとなる。
限界に挑む!
http://uminchumogi.blog111.fc2.com/blog-date-20090820.html

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3年目はトータル11匹をキャッチ(うち9匹リリース)した。最大は船長推定310キロ、最長ファイティングタイムは10時間50分(リーダーブレイク)だった。終了後にドラグを計ると26キロだった。3年目終了時点で23匹キャッチ、そのうち21匹が200キロオーバーで交代は一人もいない。
巨大マグロに挑んだ男たち
http://uminchumogi.blog111.fc2.com/blog-date-20090823.html

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ニュージーランドでの経験は日本で通じるのか?
そう思って2008年から挑み続けている。そして2009年1月に七里で190キロをキャッチした。船長は大物釣りの経験が豊富な八丸だった。アングラーは初挑戦だったが、周りが経験豊富な人ばかりだったのでヒット直後の2分くらいは慌てたが、そのあとは安定したファイトだった。
スタンドアップで狙う国産巨大マグロ
http://uminchumogi.blog111.fc2.com/blog-entry-57.html

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そして4年目が来た。

続く