2013/10/17

カナダの巨大マグロに挑む・こんなリールで上がるわけがない!

到着の翌日、芝生でファイトの練習をやったときにすべてのリールのドラグをチェックした。そしてストライクポジション、ファイティングポジション、そして時間の経過とともにドラグを上げていくなどの指導をした。最後の船べり攻防のときが一番大切。船下に入られたらドラグを緩めて交わさないといけない。ラインが船に触れないように。そしてロッドを折らないように。そして再び船下から出てきたらドラグを締めなければいけない。せっかく寄せたマグロをなるべく離さないように。そのときはスプールを指で押さえる、ラインを掴むなどして限界までプレッシャーをかける。

ケンマツはファイト中にドラグMAXを上げることができる。この機能を備えているのはケンマツだけである。これが大きな武器となる。タリカやマカイラは熱で低下したドラグMAXを上げることができない。3年前ノーマルのケンマツはカナダのマグロが横方向へ猛スピードで走るのに耐えられなかったが、2年かけて改良したカナダ用スペシャルドラグシステムは完璧だった。スムーズであり、なんのトラブルも起きない。


スピニングはレバードラグではないし、ラチェットがないので、ドラグ操作が難しい。どこまで締めれば何キロなのかもわからない。ヒットまではゆるゆるにしておかなければならない。ヒットしたらロッドを持って一気に7~10キロくらいまで締めてフッキングする。そのあとは13キロ以上に上げる。いったん止まったらさらに15キロ以上に上げる。しばらくは15~20キロの範囲でファイトをする。30分を過ぎたらMAXまで上げてさらにスプールを押さえてプレッシャーをかける。船べりでの攻防はナイロンラインまで巻かれているから、さらにプレッシャーをかけて距離を詰めていく。ドラグは熱に弱いからファイト中に他の者がペットボトルの水をスプールにかける。船下に入られたらロッドベルトからロッドを抜いて船にラインが触れないように交わす。

13ステラ30000は公表ドラグMAXは20キロだった。これに関しては発表されたときにガッカリした。なんで18000や14000が25キロなのに30000が20キロなのか。30000を出した意味がないと思った。

08ステラ20000は公表25キロでも実際に締めると29キロ以上になった。だから今回の13ステラ30000の公表20キロでも23キロくらいにはなるだろうと思っていた。23キロなら勝負になるだろう。

ところが芝生でドラグをチェックしたらMAX16キロしか出ないのだ。どんなに締めこんでも3台とも16キロ未満なのだ。

MAX16キロでは「無理だな」と思った。

まして制限時間60分なんて・・・

すぐに(現地時間3日)シマノにクレームの連絡を入れた。

返事は7日に交換品を送ると言うことだった。

ここに到着するのは12日以降だろう。ボンガキの挑戦には間に合わない。

そういえば7月中旬に13ステラ14000を使って種子島で48キロのGTを釣った時も異変に気づいていた。あまりにGTが走るのである。ドラグをどんどん締めても止まらなかった。いつもなら4分くらいでキャッチするが、このときは6分くらいかかった。キャッチ後にドラグを計測したら13キロしかなかった。そのときは「締めが甘かったかな」と思った。ところがそうではなかったのだ。

そのときに30000もチェックしておけば・・・

今頃後悔しても遅い(-_-;)


この写真はカナダから戻って、店のリールをチェックしているところ。
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リールはお客さんの購入した9台である。ドラグに問題があるので発送を待たせておいてチェックした。お客さんには断りの電話を入れた。いかがわしいものは売りたくないからである。

30000が3台、14000が2台、10000が4台である。

チェックに使ったのはシマノのドラグチェック用バネバカリ2個。
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この秤はマグロの時はいつも持参している。そしてファイト前とファイト終了後に必ず計っている。

結果は9台とも公表の80パーセント以下だった。中には50パーセントしか出ないのもあった。

車でいえば150馬力のエンジンを公表250馬力と言って売っているようなもんである。

ドラグ以外は世界最強のスピニングリールには違いないだけに、このドラグは残念だった。

※この件に関しては、現在は解決済み。うちの店にあるリールも8月下旬以降に納品されたリールは問題ない。そして問題のあるリールはメーカーにクレームで送れば無料で調整してくれる。




若いボンガキに完璧な状態で挑んでもらいたかった。

昨年の暮れ「来年ステラから30000が出るから挑めよ」と言って連れてきた。

ボンガキは本体を2台、替えスプールを2個購入した。

7年前にニュージーランドでスピニングで挑んだときは17歳だった。そのときは船のアクシデントでキャッチできなかった。

今回はドラグに問題が起きた。


ドラグ力の不足をどうやって補うか、ボンガキの経験に任せるしかなかった。
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そして


ファイトが始まった。
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教えられたとおり、前半はスタミナを温存した。
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始めのうちは数回ランを繰り返すが、適度のプレッシャーをかけて走らせる。
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水分補給は必ずやる。
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リールにも水をまんべんなく。


30分後、ナイロンラインがスプールに入り、ここまでマグロは近付いた。
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ラインはPE10号を300メートル、リーダーはナイロン(ジンカイ)40号を50メートル、先端はフロロ100号を約4メートル、ロッドはカーペンターのKLL50である。


そこからは勝負に出た。マグロが走るときはスプールを押さえてドラグ力を補った。
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マグロとの距離は約20メートル
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そのあとまた走られる。

また寄せる。


また浮いた。
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また走られる。


また浮いた。
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腰を落として全体重で耐える。
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マグロとの距離は10メートル未満。
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また走られる。


再び10メートル未満に浮いた。
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また走られる。


また10メートル以内に寄った。
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ハリスがグレンの手前2メートルくらいまで近付いた。
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また走られる。


ドラグ力がないので、どうにもならない。

そのたびにスプールを押さえるのだが・・・


頑張れ!あと一歩だ!
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また走られる。

ボンガキ「あと何回寄せればいいんですか?」

俺「わからん」

アドバイスになってない(-_-;)


運も味方しなかった。

どんどん深い方へ走った。水深は38メートル(128フィート)。
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そしてまた浮いた。
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また走られる。


ボンガキからは大量の汗が。スタミナもどんどん消耗している。
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制限時間を超えたのでグレンがハリス以外のリーダーを掴んだ。
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グレンは掴んだだけでドラグ力がわかる。

グレンは「ドラグが弱すぎる」と言った。

でもすでにMAXまで締めている。


リーダーを掴んであげるしかなかった。

時間が過ぎているのでグレンが強引に回収に入った。

「バチーン」

リーダーブレイクで終了。40号のジンカイが切れてしまった。


すぐにドラグを計ると13キロしかなかった。
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補強用に巻いたテープはボロボロになっていた。
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ボンガキが小学校3年生のときから見ているけど、立派に成長したなと思った1日だった。

敗者は語らず・・・

最後は「皆さん長い時間をかけてしまってすいませんでした」の一言だった。

でも

俺はシマノを許せない。

カタログ通りのMAX20キロのドラグだったら絶対にキャッチできた。
何度も10メートル以内に寄った。でもトニー船のハリスは5メートル未満(だいたい4~5メートル)が鉄則。そこまで近づかないとラインを掴んでくれない。
何度も寄せたけど、その度に走られた。そんなことが数えきれないくらい繰り返した。ドラグが20キロ以上ならほとんど走られなかっただろう。
ドラグが弱いので、そのたびにスプールを押さえて必死に止めようとした。
ドラグノブは3回締めなおした。力いっぱい締めても数十分後には緩くなっていた。

最後はリーダーブレイク・・・

トニー船長「ロッドとアングラーは問題ない。リールのドラグが弱すぎる」

ハーネスは最後まで使わなかった。


そしてボンガキの夢への挑戦は終わった。
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俺はボンガキにどうしても釣らせたかった。

だから悔しいのである。


問題の交換品は13日に届いた。
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しかし、俺が使う気になれなかったのは事実である。

これで釣ってもボンガキに申し訳ない。



俺は2009年にスピニングで世界で初めて250キロオーバーを釣った。

そのときもリールに問題は起きていた。

ドラグを上げるとスプールが回転枠に接触するのだ。
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ラインが出れば出るほどドラグは上がる。ドラグはスプールに巻かれたラインを含んだ直径に反比例して強くなっていく。スプールが回転枠に接触するころは35キロくらいになっている。


またラインローラーから出るラインの角度はこんな危険な状態になる。
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このときも最後までハーネスは使わなかった。
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この問題点は13ステラでは解消されている。



9月4日、カナダから凄いニュースが届いた。

俺の海外遠征ツアーに7年前から毎年2回くらい参加しているヤガラが386キロのクロマグロをスピニングでキャッチしたのだ。世界初のスピニングによる300キロオーバーである。
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ヤガラは2009年に俺がスピニングで250キロを釣ったときも同行している。


素晴らしい快挙には違いないが・・・

その1か月後に俺はヤガラとコスタリカで合流した。

そして言った。

俺「購入した客にインチキなリールを売っておいて、お前がプロトのリールで釣っても素直に誉められないんだよ」

ヤガラは真摯に聞いていた。目には涙までにじんでいた。

ヤガラのリールはドラグMAX25キロのプロトタイプだった。ファイト終了時は22キロだった。

これをボンガキが使っていたら1時間以内でキャッチしていただろう。



次は再び問題爺登場です。なんと日本人最高記録も飛び出します。恐るべし問題爺です。
2013/10/16

カナダの巨大マグロに挑む・やっちまったぜ問題爺が!

全員が初挑戦のカナダ釣り1日目です。

一番経験豊富なボンガキからスタートです。ボンガキはスピニングで挑みたいと言ったけど、俺が「いきなりスピニングで挑むより、1回トローリングタックルのスタンドアップを経験したほうがいい」

しかもスピニングは昨日の練習中に大問題が判明(怒)



スーリスの港に朝7時半に集合。マグロ用の釣り船が昨年よりさらに増えていた。3年前は4~5艇しかなかったけど、今年は10艇くらいあります。
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今年から変なものがリーダーに備え付けられてます。
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シンカースライダーと言うそうです。形状はアラスカのサーモン釣りで使われているやつに似てます。それの大型版です。

使う用途はサーモン用とは違います。これはトニー船長が船べりでハリスを切られるのを防ぐために作りました。

ハリスを切られるのは船べりでの攻防です。マグロは最後に船下をぐるぐると回ります。そのときにハリスが口を横切るように入ってしまうことがあります。それで歯で切られます。真下に来ればチューブはシンカーの重みでマグロの口に届きます。走ると水の抵抗でチューブは釣り人側に移動します。


すぐにヒット!
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初挑戦だけど余裕のファイトでした。

船長推定850ポンド(386キロ)をキャッチ!
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大型マグロは船に上げるとダメージが大きいのですべて船べりリリースです。短時間でリリースすればほとんど生きてます。

小さなマグロ(メジ、ヨコワサイズ)はアメリカ西海岸で毎年たくさんアーカイバルタグをお腹に埋め込んでリリースされてます。なんとナイフでお腹を切ってタグを埋め込んでから針と糸で縫合してリリースします。生存率は96パーセントだそうです。そのマグロは1年後から2年後くらいに日本近海でキャッチされます。

そのタグを埋め込んでいるアメリカの研究機関のホームページ
http://www.topp.org/species/bluefin_tuna

日本へ帰ってくる時期とルートがわかります。


お腹を切り開いてタグを埋め込んでリリースします。
http://www.topp.org/features/topp_and_bluefin_tuna


俺が2008年9月にアップしたブログ(必見)
http://uminchumogi.blog111.fc2.com/blog-date-200809.html


このようにクロマグロの生態の研究はアメリカがダントツで進んでます。

ニュージーランド沖で獲れるクロマグロをDNA鑑定をして日本近海のクロマグロと同種であるということを決定づけたのもアメリカの研究機関です。そのクロマグロにポップアップタグを毎年40本持って7月から9月の間に打っていた学者(ジョージ・シリンガー)もこの研究機関に所属してます。

アーカイバルタグもポップアップタグも1本50万円以上します。日本の研究機関はお金がないので打てないそうです。

日本は世界中から獲って(買って)食べるだけの国です(-_-;)



グレンがハリスの先端付近をナイフでキャッチしてリリース。
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ロッド:カーペンター・ブラックビーストBB55/70B(sg)
リール:ケンマツ80
ライン:JINKAI50号(150ポンド)
ハリス:フロロ150ポンド(約50号)
フック:マスタッド・サークルフック10/0
口切れ防止用にシンカースライダー(シンカー付きチューブ)を使用


シンカースライダーは歯で傷だらけでした。これがなかったらハリスを切られたかも。
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このシンカースライダーを使うことで細いハリスも使えるようになった。細いと言っても50号(フロロ)です。今までは100~120号(フロロ)をメインで使ってました。


おめでとう!
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午前中にリリースできたので、いったん港に戻り午後も釣りができます。

※基本は1船1日1ファイトです。キャッチできなくても1ファイトすれば1日はそれで終了です。でも午前中にリリースできればいったん港に戻って、午後船として出船できます。リリースが正午を回ってしまったら1日はそれで終了です。


さあ

次は規格外の問題爺です。

すぐにヒット!

実に安定したファイト!
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とても65歳とは思えない。
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水を飲む余裕も!
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ところが

15分でマグロは船に寄ったけど

一気に勝負をかけてしまった(-_-;)

再び走るマグロに対してフルドラグ+両手でスプールを押さえた!

「バチーン!」

高切れ終了


森爺「切れちゃった」
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俺「パワーじゃないんだよ」

65歳の爺さんに「手加減」を教えてあげましたわ(笑)



そんでもって1日目終了


時間がいっぱい余ったので、島内観光へ

ノースレイクにあるトニー船長の事務所の前で
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いろいろと刺激があるっていいことだね(^O^)



2日目~

今日もフル出動です。
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昨日15分で終わらしちゃった問題爺にお仕置きとして、今日はトップバッターです。

苦しんでいただきます。

でも

苦しむのか?



全然苦しんでません(-_-;)
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今日は両手はやめて片手でスプール押さえてます。片手の親指で1.5キロくらいドラグが上がります。指4本使うと強くなりすぎて危険です。
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リールはタリカ50なのでMAX23キロくらいしか出ません。しかもファイト中に低下します。指ドラグは必要です。



安定したファイトだったけど

ガタン!

なんと

ギンバルプレートが外れて落ちてしまった。

俺が背後から取り付けようとするけど、力が掛かっていて取り付けられません。


ずっとギンバルを持っていたけど、ひねられたロッドを元に戻せない。というか無理やりひねようとしたらロッド側のギンバルが曲がってしまった(-_-;)


やむをえずこういうファイトになりました。お腹に金属のギンバルを付けたら穴があきますから(-_-;)
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ロッドエンドは仲間が持ってます。


船べり攻防は10分くらいだった。グレンがハリスを掴んだ。
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トニーがナイフでハリスをカットしてリリース!
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トニー船長「1000ポンド!」

なんと

65歳の爺さんが1000ポンド(454キロ)を釣ってしまった。

最後にプレートが外れるというアクシデントが無ければ、完全に単独ファイトでした。

恐るべし

スーパーロボ爺(ロボットになっちまったよ)


おめでとう!
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ロッド:カーペンターBB54sg
リール:タリカ50
ライン:PE10号500メートル+JINKAI50号100メートル
ハリス:マンユウ120号(カイトフィッシング)
フック:マスタッド・サークルフック12/0



そして

次は

いよいよ

一番の問題野郎です。


昨夜の会話

俺「絶対釣れないから夜逃げしたほうがいいぞ」

ヤニ貴「俺、なんか持ってるんですよ」

俺「・・・」


人生最後のタバコ?
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しかも両手の小指が無い(-_-;)

小指がなかったら握力もない。



仕掛け投入


すぐにヒットしちゃいました。


さて

どうなるんだろ?


ありり?


メッチャ余裕や!
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片足が不自由なんで最初からロッドを船べりに付けてのファイトです。

昨晩、考えたそうだ。


ラインは両手で手繰る。
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ハンドルは両手で巻く。
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さらに

神様が味方した?

マグロがどんどん岸の方へ泳いでいく。

これが「なんか持っている」なのか?
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辛いのか?
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それとも念を入れてるのか?


なんと水深10メートル(35フィート)!
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浅くなればなるほどアングラーに有利になる。


あっという間に

ハリス掴んじゃいました。
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あまりにあっけないのでレンズ間違えた。顔が写ってない(-_-;)
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船長推定650ポンド(295キロ)

ロッド:カーペンターBB55/60(sg)
リール:タリカ50
ライン:PE10号500メートル+JINKAI50号100メートル
ハリス:マンユウ100号(ウキ使用)
フック:マスタッド・サークルフック12/0


絶対釣れないと言ったのに・・・
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ヤニ貴「だから言ったでしょ、なんか持ってるって」



でも

俺のロッドをこんなにボロボロにしてくれやした。
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俺「あのなあ・・・」



次はボンガキがスピニングで挑みます。

「芋~」

なんのこと?
2013/10/14

カナダの巨大マグロに挑む・大丈夫か今回のメンバーは?

巨大クロマグロに挑んで7年目となった。

2007年から4年連続ニュージーランド南島に挑んだ。まったく未知の世界で試行錯誤の連続だった。1年目は完敗、2年目にリベンジ成功(最大は300キロ)、3年目はスピニングタックルで250キロをキャッチした。4年目は陸上実測322キロと推定400キロをキャッチした。
5年目から場所をカナダに変えた。カナダで釣れるマグロは正式には大西洋クロマグロで日本やニュージーランドで釣れる太平洋クロマグロより一回り大きくなる。
いきなり1回目の挑戦で小西健滋が431キロを45分でキャッチした。

そのときのレポート
http://uminchumogi.blog111.fc2.com/blog-entry-166.html

他にも太平洋では10年かかっても釣れないような巨大クロマグロが何匹もキャッチされた。

カナダは巨大クロマグロを狙うなら世界最高だと確信した。

しかもニュージーランドに比べて短時間でキャッチできるのだ。

カナダが有利な理由

カナダは水深が浅いので、ニュージーランドや日本の与那国、宮古、久米島などに比べて釣り人に有利。マグロは深く潜る習性があり、深く潜られれば潜られるほどファイティングタイムは長引く。カナダは水深30メートル未満なので、船で追いかければマグロとの距離はすぐに30メートル以内になる。ニュージーランドは700~900メートル、潜水艦でない限り、船でマグロに近づくことはできない。カジキは深く潜らないから大きくても短時間で上がる。
またカナダは俺が知る限り、巨大マグロの魚影が一番濃い。マグロがいなければヒットもしない。出船すればほぼ100パーセントの確率でマグロがヒットする。しかもカナダのアベレージは375キロである。

また水温が高い8月はマグロのスピードもパワーも桁違いに強い。ロッドが折れる、リールが壊れるなどのトラブルはこの時期に集中しているのだ。リールが壊れる一番の原因はマグロのスピード。水深が浅いので水圧がかからず、右に左にと猛スピードで泳ぐ。このスピードでドラグの熱が一気に上がる。

水温が下がる9月中旬以降はマグロのパワーも落ちてくるので取りやすい。アメリカの常連はこの時期に集中して来る。そのため9月中旬以降の予約はなかなか取れない。俺はすべて断られている。予約でいっぱいなのだ。
カナダの海域は水温8度まで釣れるらしい。8度というとマグロにとっては厳しい水温。クロマグロは水温2度まで心臓が動くことが研究でわかっている。クロマグロの適水温は15~20度。

また2年前から釣り人が釣ったマグロはすべてリリースとなった。ただし漁師さんはIQ方式(個別割り当て方式)で1シーズンに1匹だけキープできる。そのキープされたマグロの9割以上が日本へ空輸で送られる。

最近になって聞いた話だが、その漁師さんの1匹の権利を買うことができるらしい。9月中旬以降になるとその権利が頻繁に売買されるらしいのだ。権利を買うのは主に漁師(釣り船含む)だが、釣り人も買えるらしい。そして釣り人はそのマグロを売ることもできるのだそうだ。

しかし我々はスポーツとしてマグロを釣りに来ている。巨大クロマグロは大西洋西海域全体で9000匹しかいないと報告されている。そんな貴重なクロマグロをキープなんか絶対にしたくない。まして売るなんてもってのほかだ。そうでなくても日本は世界中のマグロを獲りまくり、買いまくり、海外での評判はとにかく悪い。資源保護に関してはノルウェー、ニュージーランド、カナダ、アメリカなどの国に比べ30年遅れていると言われている。それは水産業の実態を見てもわかる。ノルウエーやニュージーランド、カナダでは水産業は成長産業なのだ。かつては世界一の漁業大国だった日本は1970年代をピークに水産業は衰退の一途なのである。漁業者は毎年1万人前後減り続け、現在は20万人しかいない。しかも平均年齢は毎年上がり続け、現在は60歳以上の人が全体の40パーセントに達している。このままではあと20年後に我が国の漁業は消滅してしまうのだ。

我々はレギュレーション、マナー、モラル、海外でいろいろと見てきた。それらがしかっかりと根付いている国は魚はいっぱい釣れて、しかもサイズが大きかった。レギュレーションの存在しない国はどこに行っても魚が少なく、小さかった。

ニュージーランドでもほとんどのマグロを船べりでリリースしたが、カナダでも1年目に1匹キープ(このマグロは船長の今シーズンの割り当て分)しただけで、あとはすべて船べりでリリースしている。それは世界最高の場所で最大級のクロマグロに挑むならアングラーとして当然の義務と考えている。

先日、台湾で地元アングラーとの懇親会に出席した。台湾の釣りマナーやモラルを向上させたいのだそうだ。台湾のアングラーは今でも釣った魚はほとんどキープらしい。

そのとき俺はこう言った「釣りたいのか、食べたいのか?」「どっちが優先なんだ」
台湾アングラー全員が「釣りたい」と答えた。
俺「ならばリリースしなければ」
全員がうなづいた。

日本からアメリカ、カナダ、ニュージーランドまで釣りに行く人は、100パーセントが「釣りたい」人である。
だから全員が迷わず進んでリリースする。

7年間で学んだこと

その一番がリリースなのだ。

マグロ、GT、ヒラマサ、カンパチ、カジキ・・・etc



さて

そろそろ

マグロ釣りのお話を(笑)


巨大マグロを釣るためのラインシステム
ナイロンラインを長くとることが重要。PEラインは細くて水切りが良いのでウオータープレッシャーがほとんどかからない。実際に100匹以上の巨大マグロとのファイトを見てきたがナイロンラインが長いほうが魚の動きがおとなしくなる。また走る距離も短くなる。リールのラインキャパに合わせてPEラインとナイロンラインの比率を変える。

ケンマツ50の場合 PE10号600メートル+ナイロン65号約100メートル
ケンマツ80の場合 PE12号600メートル+ナイロン65号約200メートル
タリカ50の場合 PE10号500メートル+ナイロン50号約100メートル
ステラ30000の場合 PE10号300メートル+ナイロン50号約40メートル

理想はナイロン100メートル以上だが、ステラ30000の場合100メートル巻くとPEがほとんど巻けなくなる。

ファーストランは200メートル以上走るケースが多いが、セカンドラン、サードランと走る距離は短くなる。30分くらいで魚との距離は落着き、ほとんど100メートル未満でのやりとりとなる。スピードもはじめのうちはかなり速いが、徐々に遅くなり30分を過ぎればほぼ落ち着いてくる。そして船下をぐるぐると回り始めたらキャッチまであと僅かとなる。

ケンマツの場合、ドラグは最初5キロくらいで走らせて、ロッドをポストから外してアングラーにセットしたら15キロ以上に上げる。走りが止まったら20キロ以上に上げて20~30分間はそのドラグでやりとりをする。マグロにもよるが平均的なマグロなら30分を過ぎたらドラグを25キロ以上に上げる(アングラーの基礎体力、経験にもよる)。残り30分以内で勝負をかける。ときには35キロ以上までドラグを上げることもある。

水中でのドラグ1キロは陸上での10キロとほぼ等しいと言われている。300キロのマグロでさえ3キロドラグを上げるだけで走る距離がぐんと短くなる。そして浮いてくるのも早くなる。

7年間でほぼ巨大マグロを釣るためのタックル、テクニックは完成された。これからはいかに力を使わないで、短時間で上げるかである。カナダには昨年から60分未満でキャッチ&リリースと言う厳しいルールができた。時間制限がなければ女性や子供(中学生以上)でも経験を積めば釣れるだろう。

60分ルールはなんでできたか?
このレポートが参考になる。ファイティングタイムが長引くとリリース後の生存率が下がるのだ。
http://uminchumogi.blog111.fc2.com/blog-entry-163.html

スピニングでの挑戦は昨年までは封印してた。理由は3年前にアメリカのアングラーから「そんな無謀な挑戦は魚を傷つけるだけだからやるべきではない」と言われたのと、いきなり1日目に大型トローリングリールが2台壊れたからである。カナダは浅いので横方向へ猛スピードで走る。ラインキャパが最低でも300メートル欲しいからである。ステラ20000ではPE10号を300入れるとナイロンを入れる余裕はない。最低でもナイロン30メートルは入れたい。

今年ステラ30000が出たので挑むことにした。しかし大問題が起きていた(内容は後日)。



毎年出発前は準備で忙しい。
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今年はこれだけタックルを持参した。
リール:ケンマツ80、ケンマツ50×2台、タリカ50×3台、13ステラ30000×3台、マカイラ80
ロッド:カーペンターBB55/60SG、同BB55/70SG、同BB54SG、同KLL50(スピニングロッド)×2
ライン:サンラインPEジガー8HG10号、サンライン・モンスターバトル12号
リーダー:ジンカイ130lb、150lb、200lb
ハリス:マンユウ50号、60号、80号、100号、120号

それにカメラ2台、レンズ4個である。



現地に先に入ってレンタカーを確実に受け取るために俺は1日前に出発した。いつもの便だとシャーロットタウン到着が深夜になるのでレンタカーを受け取れないケースが2年連続続いているのだ。


トロント空港のラウンジで
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この飛行機で最終目的地のシャーロットタウンへ
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俺の荷物の総重量は80キロ以上
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132リットルの大型スーツケースと同じ容量のスポーツバッグ、それにカメラバッグとロッドケースである。


今回借りたレンタカー。レンタルカーズドットコムというところで予約しているが、いつも予約した車種より小さいような気がする・・・
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安いからなんだけど、ハーツやエイビスならこういうことはなかった。


今回はいつものRollo Bay innが満室で取れず、この宿となった。
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1875年に建てられたそうな。どうりで床がミシミシ言うわけだ。
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冷房はありません。扇風機だけです。
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この宿に泊まったのは1日目だけです。2日目からはトニー船長が新しく建てたキャビンに泊まった。そのキャビンはとっても快適です。


到着日は一人で夕食。やっぱりロブスター(^O^)
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ちょっと寝て、夜11時ころに起きて空港へ。

今年は定刻通り深夜1時に着きました。
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昨年は5時間遅れで朝の6時ころ到着でした。


空港から宿までは約1時間。

深夜の2時を過ぎてました。
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今回は全員が初挑戦です。

1日目はトニーキャビンの隣の広い芝生でファイトの練習です。

まずは浦爺から

いきなりバテてます(笑)
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ほとんどファイトになってません。
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向こうの方でマグロ役をやっているのは俺ですが・・・
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あまりに余裕なので寝ちゃってます(笑)
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浦爺「あか~~ん」「もう許して」
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5分でノックアウト(-_-;)
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「夜逃げしよ・・・」
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浦爺は頸椎5本にセラミックが入ってます。そのため左足に力が入らず踏ん張れません。しかも肺に穴も開いてます(原因は内緒)。そして50歳で11歳の孫がいます。さらに1日100本のタバコ吸います。

何から何まで規格外(-_-;)

でもチャレンジ精神が凄い!

それこそ俺が言う重要なことだけど・・・

釣れるのか?

俺「絶対無理」



浦爺とは昨年の8月に青森で初めて会った。SFPC主催の青森マグロキャスティングセミナーに和歌山から船をトラックに積んで孫を連れて参加した。
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ほんまに何から何まで規格外(笑)




さらに

もう一人規格外がいます。

65歳の爺さんです。

毎日自宅の裏山600メートルに登ってます。今年になって7月末までに191回登ったそうです。登らなかったのはノースカロライナに行ってる時と身内に不幸があったときだけ。

さらに山から降りてきてスクワット300回・・・

ヒマラヤにも4回登りました。一度血を吐いてタンカで運ばれたそうです。それで片方の肺の半分がつぶれてるとか・・・


そのスーパー爺さんは森爺と呼ばれてます。

マグロ役をやらせたら一番元気。
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何回もニコニコしながらダッシュしてました。息も全然切れません。


ファイトも全然余裕。ドラグ25キロです。船べりと違って手すり等がないので実戦よりしんどいのですが。
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この爺さん、ほんまに何者?

最近は森爺ではなくて、毒爺とか、猛毒爺とか、もうろく爺とか、いろいろ呼ばれてます(笑)



3人目は

ダントツで若い24歳!

ボンガキです。小学校3年の時から俺と釣りしてます。

師匠は何と福井健三郎と小西健滋です。俺は何も教えてません。怒るだけです。


7年前、17歳の時にニュージーランドのマグロにスピニングで挑みました。そのときは船にアクシデントがありダメでした。

そのときのレポート
http://grouperboys.web.fc2.com/07report_a/0708grey_2/grey_c.htm


GT65キロ、カンパチ48キロ、ヒラマサ45キロ・・・ボンガキはプロも顔負けの実績です。


若いけど経験は一番なのでトップバッターで本番に挑ませます。
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ちなみに俺は全員がキャッチするまでやりません。これはニュージーランドからずっと続けてます。

みんなに挑んでいただきたいのが、このツアーを続けている一番の理由です。

2番目は海外へ行かなければわからないことがいっぱいある。それを学んでほしいからです。

挑戦する気持ちと常に学ぶ気持ちが大切です。



屋外特訓が終わった後は、キャビンに戻ってビデオを見ながら勉強会です。
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先人たちのファイトをたっぷりと見て、実戦に備えます。何も知らぬまま挑むんで勝てる相手ではありません。


そして明日からのタックル準備

ボンガキがみんなのシステムを作っていますが、窓の外では・・・
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浦爺がエンジン全開で吸ってました(笑)
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俺「早死にしたいの?」

浦爺「中途半端に吸うのがよくない」「1日100本吸えば免疫出来まっせ」

この日から「ヤニ貴」と改名しました(笑)



さあ明日から本番です。